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発達グレーゾーンの子はGW明けになぜ増える? 日本教育の抱える課題とは【専門家監修】

ORICON NEWS / 2024年4月22日 17時30分

GW明けは不登校が増える?

 今年のGWは最長10連休と言われている。入学や進級し、新生活やクラスの雰囲気を感じ始めたところでやってくる大型連休。昨今、長期休暇の後は不登校が多くなったり、発達障害の症状が目立ってきたりと子どもの精神状態が不安定になることも。4月までは元気だったのに、急に「登校しぶり」が始まるということは少なくない。池上おひさまクリニック院長の大和行男先生に話を聞いた。

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■新1年生は新しい環境への適応ストレスのため不登校

 不登校はどんな子にも起こりうることではあるが、学校生活の中で不都合や苦手だと感じることが多い発達障害を持つ子は、よりその可能性は高いと言われている。それまで保育園や幼稚園で過ごしていた子にとって、小学校での生活というのは大きな変化。気持ちの面でも疲れや違和感を抱くことも多いだろう。



――昨今、小学校の就学後のGW明けから不登校が増えるとよく聞きます。これは発達障害であるないに関わらず、起こりえることなのでしょうか?

【大和行男先生】これは発達障害に関係なく起こりうると思います。4月は頑張って(無理をして)登校しようと努力したものの、GWという大型連休の間に緊張の糸が途切れてしまい、5月から不登校になるお子さんは多いです。

――では、発達に特性がある子の場合は?

【大和行男先生】4月は誰しも緊張していて不慣れな環境ですが、5月に入ると、例えばADHDのお子さんはマイペースに動き回るので、5月から先生方の目に付き始めるという流れも多いです。

 ADHDの3大兆候は「多動性・衝動性・不注意」。最初期の症状は、就学前の保育園や幼稚園の高学年から小学校入学後が一番わかりやすい形で現れるといいます。就学すると、授業などで静かに集中しなければならない時間が増えます。先生から親御さんに「じっとしていられない」「ほかの子をケガさせた」などと電話が来ることもあり、就学を機に児童精神科や発達障害の外来を受診するケースは多いそうです。

■特別支援学級に通いたくても通えない? 日本の学校が抱える課題とは

 学校や地域により様々だが、ADHDや学習障害、自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群、自閉症など)など発達障害を持つ児童は、特別支援学級と通常学級どちらに通うか選択ができる。「特別支援学級」は、少人数クラスで複数の先生から個別に指導や支援を受けられる点がメリットだという。

――選択肢があるのは、お子さんの発達に不安を感じる親御さんにとっては安心材料にもなるかと思います。とはいえ、最近は「特別支援学級」の教室が不足しているというニュースも見かけます。支援学級へ通うべき児童が通えていない現状もあるのでしょうか。

【大和行男先生】近年は、発達障害やADHDと、小児科や精神科または心理士さんから安易に指摘されることが増えているようです。そのため、ネットに溢れる発達障害の概念を意識する大人(親御さん)も急増。そうした背景から、特別支援学級に求められる件数や要望も増している現状があります。

――特別支援学級ではなく、一部の授業のみを通常学級とは別の通級指導教室で受ける「通級学級(通級)」という制度もあるようですが。

【大和行男先生】発達障害を意識した親御さんからのニーズに対応しきれず、特別支援学級に転籍できない、通級をさせてもらえないケースは実際に多くみられます。通級も1年間だけや2年間を上限に設定される自治体もみられます。

――発達に不安がある子が増えていますが、日本の教育環境が抱えている課題について、先生のお考えを聞かせてください。

【大和行男先生】これは国全体、または都道府県ごとに真剣に取り組むべき問題だと思います。現状、対応できる専門家が少なく、子ども支援課や教育センターの職員も自治体職員が異動でたまたま赴任しているケースが多いんです。専門家がオンラインなどで全国あまねく支援・指導する体制作りが必須だと感じています。

監修者/大和行男先生
池上おひさまクリニック院長。メインは児童精神科、思春期美容皮膚科。地域の赤ひげクリニックを目指して、精神科・内科・小児科・皮膚科全ての診療科を予約なしで当日診療している。現在はメディア露出を増やし、児童精神科領域の啓発活動を目指している。

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