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「知名度向上」野村信託銀行新社長 眞保智絵

プレジデントオンライン / 2014年9月11日 12時15分

野村信託銀行執行役社長眞保智絵氏

日本経済は消費税増税の逆風を乗り切り、株価は再び上昇局面に入ったようだ。2020年の東京オリンピックを控え、各社、攻めの経営が目立つ。少子高齢社会のなかで、企業はどこへ向かうのか。新たに経営トップの座についた人物を解剖し、未来への展望を開く。

■総合職2期生、銀行初の女性トップ

初の女性の銀行トップ就任は注目を集めた。しかし、野村グループには男女にこだわらない風土があり、本人も会社も「特段大した話ではない」と思っていたという。しかし、女性総合職2期生として入社後、トレーダーとしてスタートを切り、エクイティ部門、投資部門と多様な部署でのキャリアは、「野村の中でも珍しい」とされる。

――突然の社長人事でしたが。

【眞保】入社時には、長く仕事を続けたいとは考えていましたが、まさか社長になるなんて、思いもしませんでした。

――ご主人の反応は?

【眞保】家で仕事の話はしないので、特段何もありませんでした。でも、就任後しばらくして、夫が急にサポートしてくれるようになったんです。夫もハードワーカーなのに、「妻の仕事に理解があって協力的!」などと、周囲の女性に褒められて人気が上がったようです(笑)。

――多くの部署の経験があるが。

【眞保】異動のたびに、常に「プロフェッショナルでありたい」と意識してきました。その過程で、野村でできることは非常に幅広いと気づき、転職するよりもここでさまざまな経験を積みたいと考え始めました。また、いろんな部署を経験し、社内外の人脈も増えました。

――過去に辛かったことは?

【眞保】初めてマネジャーとしてチームを率いたとき、部下が外資系企業に転職しました。「より面白い機会がありそう」という理由でしたが、野村の中にもいろんなチャンスがあることを伝えきれなかったこと、自分が彼らのことをどう思い、何を期待しているかを言えなかったこと、そして彼らから相談がなかったことに無力感を覚えました。それからは、意識的にコミュニケーションを取ることを大切にしてきました。

――転機となった仕事は?

【眞保】古賀信行社長(当時)の政策秘書です。社長が何を必要としているかを考え、役立つものを用意するのですが、あらゆる場面を想定し、想像力を働かせることの大切さを学びました。トップの判断を間近に見ていたので、そのプロセスを学べたのは大きな経験でした。

――今回の社長指名の理由は?

【眞保】野村ホールディングスの執行役員経営企画担当という立場で、4年間経営のサポートに携わりました。でも、最終的な意思決定はトップ。今度は最後まで自分で責任を持って実行するように、ということだと思っています。

――会社の強みをどう活かしていこうと考えていますか。

【眞保】有価証券を扱う点で1日の長があります。例えば、野村證券でお預かりしている有価証券を担保に、最短で翌営業日に融資できるサービスもあります。しかし、野村グループに銀行があること自体があまり知られていないため、私が女性社長として注目を集めることも、知名度向上の一助になればと考えています。また、さまざまな部署で積んできたキャリアを活かしながら、そうした自社の強みをうまく伝えていくことができるのではと思っています。

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野村信託銀行執行役社長 眞保智絵
1965年、神奈川県生まれ。89年、早稲田大学法学部卒業、野村證券入社。96年、米・スタンフォード大学経営大学院(MBA)修了。執行役員経営企画担当などを経て、14年4月より野村信託銀行執行役社長。

出身高校:フェリス女学院高校
長く在籍した部門:エクイティ関連部署
座右の書(または最近読んだ本):『ワーク・シフト』
座右の銘:白鳥蘆花に入る
趣味:スキー

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(野村信託銀行社長 眞保 智絵 吉川明子=構成 田所千代美=撮影)

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