【DS 4 新型試乗】非SUVでも満足感を味わえるCセグ随一の存在…島崎七生人
レスポンス / 2022年10月8日 17時30分
Cセグメント随一の素敵なクルマ……これが今回『DS 4』を試乗した結論である。今やSUVが市場でもっとも求められているクルマであるのは間違いないが、非SUVで、手頃に、これだけ「乗ってよかったぁ」と高い満足感を味わわせてくれるクルマは、今どきそうはない。
シトロエンから独立した直後の“DS”は、華美で濃厚な装飾感が、これでもか!と主張していた。が、最新世代はデザインがスッキリと直線基調で仕上げられているせいか、外観からしてスパッ!とスマートで、決してこれみよがしではない。街角に停めただけでも「どこのクルマ?」と思わせられる個性、存在感を発揮している。解錠するとペーパーナイフのようなクロームのドアハンドルが迫り出してきて(この種のハンドルとしては握り心地もしっとりとしている)、オーナーを迎えるあたりも心憎い。
インテリアはどこもかしこも相変わらずのキラキラぶりだが、外観同様、決してやり過ぎ感がなく、適材適所といった風にさり気なくダイヤカット柄がちりばめられている。しかもしっとりとした触感もいい。さすが!と思わされたのはインパネ中央の空調スイッチまわりのデザインで、6つのボタン烈左右の三角形のスイッチで上下の向きを調節する仕組み、実際の拭き出し口はスイッチ烈の上下の薄いスリット部分になっており、好奇心からスイッチ列の裏側奥を指先で確かめるとちゃんと翼断面になっていた。
後席は頭上、足元とも十分なスペース。丁寧な設えのシートも、表皮のレザーの張りが強めだが着座感はいい。分類すればCセグの2ボックスだが、上級サルーンの後席のような居心地、雰囲気が味わえる。
パワーユニットは1.2リットルの3気筒ターボで、今やオーセンティックなパワーユニットの印象で、シフトスケジュールが的確な8速ATとの組み合わせにより、小気味いいパワー感とエンジン音を発揮してくれる。それと何といっても魅力なのは、走行中のクルマのスムースな振るまい。19インチタイヤながらとにかくシットリとした乗り味にウットリさせられる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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