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見逃せない! ブレーキダストが語るブレーキパッドの重要なサイン~Weeklyメンテナンス~

レスポンス / 2024年5月9日 6時30分

今回は基本メンテナンスから少しステップアップして、ちょっぴり上級のメンテナンス項目としてブレーキパッドの摩耗チェックを行ってみた。安全性に直結するブレーキなので要注目の項目だ。


◆ブレーキの摩耗をチェック


車両のメンテナンス項目の中でも始業前点検の項目に含まれる最重要点検項目のひとつでもあるブレーキ。万が一トラブルがあると事故に直結するだけにメンテナンスは細心の慎重さが求められる。そこで今回はブレーキの摩耗についてのチェックを中心に紹介して行くこととした。いち早くブレーキの減りを察知して、常に安全な状態でドライブするには定期的な点検で“変化”を察知することが大切だ。そんなポイントについて紹介していこう。


ブレーキはホイールの内側に設置されているため普段は見ることは少ないだろう。DIYでタイヤローテーションをするユーザーならホイールを外したタイミングでローター/キャリパーを見たことはあるのでは無いだろうか。近年の乗用車の多くはディスクブレーキを採用している。その名の通りディスクローターをキャリパーに取り付けたブレーキパッドで挟み込んで、その摩擦力を利用して制動力を発揮させるブレーキシステムだ。ここではディスクブレーキを例に、ブレーキの点検を紹介して行く。


◆プレーキダストはブレーキパッドの摩耗


ディスクブレーキは先にも紹介した通りブレーキパッドでディスクローターを挟む込むことで制動力を発揮している。そのためブレーキパッドは徐々に摩耗して減っていくもの(ディスクローターも減るのだがブレーキパッドに比べると減りは比較的少ない。一部の輸入車ではディスクローターの減りが早いモデルもある)。


摩耗していることを感じる一番身近な現象が、ホイールまわりに付着するブレーキダストだ。洗車時にホイールまわりにこびりついているのを見たことがあるだろう。このブレーキダストはブレーキパッドなどが摩耗して削られた際に発生する粉末状のゴミだ。これがブレーキまわりに飛び散って堆積することでホイールまわりなどを汚す原因になっている。ブレーキダストが出る=ブレーキパッドが摩耗していることを意味している。つまり、走るたびにブレーキは徐々にすり減って行くことを憶えておくと良いだろう。


◆ブレーキパッドの耐久性


ではブレーキパッドはどの程度の耐久性があるのだろう? 一般的には新品時のブレーキパッドは厚さが約10mmある。それが1万km走行するごとに約1mm減ると言われている(パッドの種類や走行条件によっても摩耗のスピードは変わってくる)。ブレーキパッドは金属のバックプレートに摩材/摩擦材を張り付けた構造だ。この摩材が減っていくと最終的にはバックプレートが直接ディスクローターに接触することになる。ブレーキの安全な機器をキープするためには、そうなってしまう前にブレーキパッドを交換することが必須なのだ。目安としては摩材部分の残りの厚さが2~3mm程度まで減ったら交換となる。


しかし、ブレーキパッドの厚みはクルマの外側から見ただけではなかなか確認しづらい。そこで先に示したようなサイクル(1mm/1万kmが目安)で減りを予見するというのがブレーキパッド残量を推測する最も簡単な方法だ。しかし走行距離で概算していても乗車人数やストップアンドゴーの多さ、さらには積み荷の重さなどの影響で必ずしも先に紹介した数字通りに減るわけではないのが厄介なところ。


◆ブレーキフルードのレベルを確認する


そこで手がかりなとなるのがブレーキフルードだ。エンジンルーム内にブレーキを作動させているフルードのリザーバータンクがある。透明なタンクは外側からフルードの量が見られる構造になっている。タンクにはアッパー/ロワの目盛りが刻まれているのでフルードの残量が確認できる構造だ。


パッドが新品の時にはフルードはアッパーに近い位置まで満たされているが、パッドが減っていくと徐々にフルードはキャリパー側に押し出されてレベルが下がっていく。いきなり見てもパッドの減りは推測できないが、定期的にブレーキフルードのレベルを確認しておけば、以前点検したときからのフルードの減りを確認すれば大まかなパッドの減りは推測できる。


さらにブレーキパッドの残量チェックには、タイヤローテーションやタイヤ交換などのタイミングにホイールを外した状態でキャリパーの点検孔からブレーキパッドを直接確認して残量をチェックする方法もある。直接的な点検ができるのでこれがもっとも確実なのは言うまでもないだろう。


◆ウェアインジケーターが「キーキー」


そんな日常点検に加えて、ブレーキパッドが減ってしまった際に最後の砦になってくれるのがウェアインジケーターだ。構造としてはブレーキパッドのバックプレート側に金属製の薄いプレート状の金属(ウェアインジケーター)が取り付けられている。パッドが減るとこれがローターに軽く接触する構造になっている、アナログな方法だ。


ウェアインジケーターがローターに接触すると「キーキー」といった金属音が鳴る仕組みなので、ブレーキペダルを踏むと足まわりからキーキーと異音が聞こえてきたらブレーキパッドの摩耗限界を知らせる合図になっているので、パッド交換のタイミングだ。ただしウェアインジケーターによる異音が出た場合でも、急にブレーキが利かなくなるわけでは無いのだが、そのまま乗り続けるとブレーキパッドが摩耗限界を超えてしまいローター側にダメージを与える、さらにはブレーキが利かなくなる最悪の事態にまで進行してしまうので早急な交換が求められる。近年のクルマの中にはパッドの減りを知らせるインジケーターが装備され、メーターパネル内で減りを警告してくれるケースもあるが使い方は同様だ。


◆認証工場のプロに任せるのが良い


いずれの場合も安全性に直結するブレーキなので、パッドの減りなどにはいち早く対処してメンテナンスを実施しておこう。ブレーキのメンテナンスは国が認証した工場でしか整備が認められていないので、認証工場(ディ-ラーや大手カー用品店など)で交換をオーダーすることになる(ただし自分のクルマを自己責任でDIY作業することは可能)。ブレーキ関連のメンテナンスは非常に大切であり命に関わる部分なので作業はプロに任せるのが良いだろう。


ドライブ先で思わぬブレーキトラブルで身動きが取れなくなってしまうのを防ぐためにも、ブレーキの減りを点検で早めに見つけ、トラブルが発生する前にメンテナンスを実施しよう。最重要項目のひとつであるブレーキを常に万全の状態にして安心してドライブできる状態をキープしよう。


土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

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