1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. カルチャー

技能五輪西洋料理部門で優勝、国際大会へ 横浜ロイヤルパークホテル 花井優里さん 神奈川 おでかけ仕事人

産経ニュース / 2024年5月7日 17時19分

横浜の街並みを代表する横浜ランドマークタワーにある横浜ロイヤルパークホテル。過ごしやすい季節がやってくると、港町での思い出の舞台にしようと、結婚式や宴会の予約が舞い込む。数百人分の料理を作るホテルの料理人たち。花井優里さん(21)は前菜などの冷たい料理を担当するチームの一員だ。

午前9時に出勤すると、その日の宴席に出す料理を盛り付ける。休日は百人単位の宴席が1日に5、6組開かれることもあるという。その後は、レストラン部門の手伝いで、ランチビュッフェやディナーのために、大量のフルーツや野菜をカットする。パイナップルやグレープフルーツはつまんで食べやすいように、切り込みをいれ皮の一部を残すひと手間をかけるのが横浜ロイヤルパークホテル流。さらに次の日の仕込みで魚などをさばき、1日が終わる。

毎日の仕事で鍛え上げられた花井さんは昨年11月、23歳以下の若手料理人が腕を競う「第61回技能五輪全国大会」西洋料理部門で優勝を果たした。

大会では前菜のスープと、メインディッシュの鶏料理、デザートの3品で競う。スープでは使わなければならない4つの食材が直前に指定され、デザートでは完成品の見本をみて、用意された材料から正しく調理できるかを審査されるなど、ぶっつけ本番の要素も多い。

鶏料理は、数カ月前にメニューを決め、料理長経験者など、同ホテルで数々のVIPたちをもてなしてきた伝説級のシェフたちに指導を受けた。毎日、少しずつ調理方法を変え、火の加え方などを研究した。

愛知県出身。小学4年のころにイタリア料理店を舞台にしたテレビドラマ「dinner(ディナー)」を観たことがきっかけとなり、料理人を目指すようになった。父親に連れられて地元開催の技能五輪の会場に行き、その熱気から自身の夢が技能五輪優勝になった。

料理の専門学校でフランス料理を学んだあと、同ホテルに入社したのも、技能五輪を通じた若手の育成に熱心で、数々の優勝者や準優勝者を輩出しているのが理由だった。優勝を誰よりも喜んだのは父親。実は自動車工部門での準優勝経験者で「『親子二代のメダリストだ』と喜んでくれた」(花井さん)。

腕を磨き、夢を果たした今、もう1度食べたいと思う料理は小学生のときに姉が作ってくれた焼きそばだという。風邪をひいた病み上がりで久しぶりに食べたご飯で、ソースの甘酸っぱさが忘れられない。「今でも姉に作ってもらうけど、何か違うんです。病気の私を気遣う気持ちが入っていたのかな」と笑う。

今年9月にフランスのリヨンで開かれる国際大会に日本代表として出場する。上司も「絶対にいい成績を残してくれるはず」と太鼓判を押す。「人間性も含めて、私の料理を食べたいと思ってもらえるようなシェフになりたい」-。花井さんは飛躍を誓った。(高木克聡)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください