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フランス、ロシアの偽情報に危機感 マクロン大統領の部隊派遣発言後…核兵器「議論用意」

産経ニュース / 2024年5月5日 17時16分

【パリ=板東和正】ロシアによるウクライナ侵略を巡り、マクロン仏大統領が同国への地上部隊派遣は「排除されるべきでない」と発言して以降、ロシア側が強化する情報操作にフランスが翻弄されている。6月実施の欧州議会選にも悪影響を及ぼしかねず、仏政府は新たな対露制裁などを模索している。

ジャンノエル・バロ仏欧州担当相は4月20日、欧州メディアに対し、露政府が流布している疑いがある偽情報が毎週のようにインターネット上に蔓延(まんえん)していると述べた。

具体的には、仏国防省の偽サイトが3月、フランス人20万人がウクライナでの戦闘に向け招集されたとの偽情報を発表。偽サイトのリンクはX(旧ツイッター)で広がった。仏政府がウクライナ人の入国条件を厳格化している、とした仏内務省の偽サイトも確認された。

ウクライナ政策が主要争点となる欧州議会選を前に、バロ氏は「(マクロン政権が偽情報により)打撃を受けている」と危機感を示した。

露側が仏メディアを装い、フランスの印象をゆがめる情報操作を実施しているとの指摘もある。欧州メディアによると、仏ニュース専門テレビ局が制作したとみせかけた偽動画が4月ごろに交流サイト(SNS)で拡散。偽動画は、南京虫(トコジラミ)が国内で大量発生した記事を書いたジャーナリストが仏情報機関の調査を受けていると伝えた。仏週刊誌ルポワンは親露派勢力が情報操作のために同動画を制作したと分析。欧州の安全保障問題の専門家は「露側は『フランスに報道や表現の自由がない』との誤った印象を流し、民主主義国家としての存在価値をおとしめようとしている」と分析した。

一方、ウクライナに対する仏国民の印象を悪化させる情報工作も行われているもようだ。仏公共ラジオのロゴが入った偽動画が3月、SNSで拡散。ウクライナ兵が仏国内の病院に入院したことで結核の流行に脅かされている-との内容だ。

マクロン氏は相次ぐ情報操作について「ロシアの兵器の一部だ」と懸念を表明。露側が偽情報を流すわずかな兆候も見逃さないよう、仏情報機関も監視を強化している。仏政府は欧州連合(EU)に追加の対露制裁を提案。オランダやポーランド、バルト諸国が賛同しているという。

マクロン氏は2月、ウクライナへの地上部隊派遣に言及したのに続き、対露防衛を念頭に、フランスの核兵器を使用する可能性について「議論を始める用意がある」と述べ、ロシアが警戒を強めている。

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