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熱帯夜の「エアコン戦争」に終止符。“手のひら冷却”が家庭を円満にする理由

集英社オンライン / 2022年8月9日 13時1分

暑い夏、長い夏季休暇、夫婦間で起こりやすいのが、エアコンの温度設定をめぐる「エアコン戦争」。エアコンの設定温度のせいで「夏だけ家庭内別居」という家庭や、挙げ句の果てにはそれが引き金となって離婚、というケースもあるのだとか。しかし最近、夫婦が互いに快適にすごすヒントとして「手のひら冷却」なるものがある。手のひら冷却グッズメーカーに取材した。

夏バテや熱中症の予防になる「手のひら冷却」

「手のひら冷却が夫婦のエアコン設定温度問題を解決できると断言はできませんが(笑)、解決の糸口にはなるかもしれませんよ」

そう話すのは、手のひら冷却グッズ「Ice Battery(R) fresh」の開発者で、株式会社まつうら工業取締役の井戸英二氏。手のひら冷却を推奨し、小中高校に自社商品「Ice Battery(R) fresh」を無料で貸し出すなど精力的に手のひら冷却を広げる活動を行う同氏に話をお聞きした。



――手のひら冷却とはどういった仕組みなのでしょうか。

「手のひらにはAVA血管という体温調整に特化した血管があり、夏の暑いときにはそこから熱を逃して体を冷ます役割をしています。手のひら冷却は、AVA血管を流れる血液を冷やすことで、冷たくなった血液を全身にめぐらせ、効率よく体温を下げるという仕組みです」

AVA血管の仕組み(まつうら工業提供)

「手のひらを冷やす際、冷却剤が冷たすぎるとAVA血管が収縮してしまい、期待される効果が得られません。そのため、だいたい15度前後が適温とされています。

弊社が開発した『Ice Battery(R) fresh』は、特殊な蓄冷剤により最長で2時間もの間、約15度の温度を保つことができるため、長時間のスポーツや、夏の寝苦しい夜のお供として使うことをお勧めしています」

まつうら工業が開発した「Ice Battery(R) Fresh」(まつうら工業提供)

――AVA血管は手のひらにしかないのですか?

「手のひら以外には、頬、足の裏がありますが、手のひらが一番手軽ですし、面積も広いので効率がよいと思います。冬の寒い日に、手のひらを暖房の前で温めるとじんわり体が温かくなりますよね。その冷却版、というと分かりやすいかもしれませんね」

――スポーツの現場でも手のひら冷却は取り入れられているそうですね。

「スポーツ界では手のひら冷却はいち早く注目されていました。熱中症予防として効果が期待されていて、大学スポーツでも導入されています。

手のひら冷却のいいところは、体の表面温度だけではなく、血流を通して深部体温を冷やすことができるところです。効率的に体を冷やすことで、夏バテや熱中症の予防に役立てられています」

手のひら冷却で夫婦のエアコン戦争は終結するのか

――今回の本題、夫婦の設定温度をめぐる「エアコン戦争」にも手のひら冷却が役立ちそうな気がします。

「そうですね。残念ながらそのテーマで調査したデータはないですが(笑)、理論的には有効なのではないでしょうか。夫婦や家族間でエアコンの快適な温度が合わないというご家庭で、ぜひ手のひら冷却を取り入れていただきたいです。

エアコンの風に長時間当たると体調が悪くなるという方は少なくありません。実は私自身もそうで、エアコン冷風が少し苦手です。現代の猛暑にエアコンは欠かせませんが、そのエアコンの冷風で体調を崩しては本末転倒です。

過度に部屋を冷やす夫や妻にまいっているという方は、ぜひ手のひら冷却を試してみてほしいです」

ライターが夫婦で「手のひら冷却」を試してみた!

今回、まつうら工業に「Ice Battery(R) fresh」をお借りし、実際に我が家で手のひら冷却を実践してみた。

使用した日の最高気温は36.5度。猛暑日でさすがに手のひら冷却だけで暑さを凌ぐことは難しかったが、冷房の設定温度を25度以下にしないと気が済まない筆者の夫に「Ice Battery(R) fresh」をもたせ、室温は27度に設定した。

大きさは大人の手にぴったりのカイロくらいのサイズ

感想は「これだけですごく変わるということはないけれど、気持ちいい」とのこと。加えて「冷たすぎず、ずっと持っていられるのがいい」らしい。

これは「Ice Battery(R) fresh」の片面には断熱材が挟まれており、断熱材入りの面は約25度、断熱材なしの面は約15度をキープする設計によるものだ。自分にとって心地いい温度の面に持ち替えられることにより、「冷えすぎて痛い」という状態にならないのだという。

しかし、エアコン戦争が解決したかどうかは、正直微妙……。やはり手のひら冷却だけで「争いの終結」は難しいのだろうか。

体感温度が違う夫婦が、どちらも快適に寝られる

実を言うと、我が家では日中よりも睡眠時の方が「Ice Battery(R) fresh」を愛用している。私は手のひらに、夫は頬に当てて使っているのだ(ちなみにこのおかげで夜間のエアコンの設定温度を上げることができ、筆者は寒い思いをせずに寝ることができている。日中よりも効果を感じやすいかもしれない)。

井戸氏によると、手のひら冷却は良質な睡眠にも一役買うと言う。

「入浴後、体は芯まで温まっていますが、深い眠りに達するには深部体温を一気に下げることが有効です。手のひら冷却を行うことで体温を効率的かつ急速に下げることができ、深く良質な睡眠ができるとされています」

――このときもやはり15度くらいが適温なのですか?

「そうですね。寝るときは、手のひらだけでなく頬などを冷やしても心地よく寝られると思いますよ。特に夏場は睡眠時の熱中症予防として、水分補給などと合わせて取り入れていただきたいですね」

当然のことだが、手のひら冷却だけで夏を凌ぐことは難しい。適度な冷房とこまめな水分補給が欠かせないのは言うまでもない。

しかし、連日の猛暑の中、家庭内で夫婦がお互いに思いやりをもって過ごすためには、なかなか有効な一手と言えるかもしれない。

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