ブラジル産は約1.5倍に…コーヒー豆価格が“爆上がり” 円安や現地の人件費高騰等で「苦渋の値上げ」の会社も

ニュースONE

　コーヒー豆の価格が高騰し、仕入れ業者や喫茶店が苦境に立たされています。

　香ばしいコーヒー豆の香り。名古屋市名東区の「ガロンコーヒー」は、世界中からコーヒー豆を仕入れ、自社の工場で焙煎をしています。

　全国の百貨店や喫茶店にもコーヒーを卸していますが、コーヒー豆の価格が高騰しています。

ガロンの神谷浩己社長：
「これが今爆上がりなんです。飲むとおいしくて気に入って使っているんですけど、今1.5倍くらいになっているんじゃないですかね」

　ここ1～2カ月でコーヒー豆の価格が高騰し、特にブラジル産は、通常の相場よりもおよそ1.5倍になっているといいます。

　ガロンコーヒーでは来週以降、ほぼ全ての商品を平均で2割から3割値上げへ。200グラムあたりで、マンデリンでは400円以上、キリマンジャロで200円以上の値上げとなります。

　その理由は…。

神谷浩己社長：
「円安が1つですね。あとは生産国の豆の収穫に携わる人達の賃料の値上げとかですかね」

　8日も、円は1ドル155円台で歴史的な円安が続いています。

　また、コーヒーの本場・ブラジルを襲った異常気象による生産量の減少なども追い打ちをかけ、コーヒー好きには「苦い価格高騰」になっています。

神谷浩己社長：
「いつも買っていただいているお客さまには本当に大変心苦しいんですけども。会社の方も維持していかなくてはいけませんので、本当に苦渋の決断でしたけど。クオリティは保ったまま、価格だけ申し訳ないですけどという感じです」

「モーニング発祥の地」といわれる一宮市の喫茶店「ありすカフェ＆バー」は、平日は朝8時の開店から午後9時の閉店まで、いつでもモーニングを頼むことができます。

　コーヒー1杯480円で、定番の小倉トーストにおにぎりとお味噌汁、さらにはシフォンケーキまで。全9種類から好きなメニューを選んで、1つ無料でつけられます。

女性客：
「本当にこんなに安いところは他にありません」

別の女性客：
「これでご飯食べられるじゃん。この時間帯だったら朝昼兼用」

また別の女性客：
「ワンコイン超えると、なかなか難しいね」

男性客：
「絶対にお値打ち」

　毎日のように通う常連客もいて、ワンコインで収まるお値打ちなサービスがお気に入りです。しかし店側は…。

ありすカフェ＆バーの坂本龍基代表：
「仕入れの企業さまにごひいきいただいて（仕入れ値を）据え置いていただいている感じですね。コーヒーの豆まで上がってくるとなると、なかなか厳しいかなと思っています」

　まだコーヒー豆の価格高騰の影響は受けていないものの、不安のタネはつきません。

坂本代表：
「パン、お米、卵、パンにつける小倉、おにぎりで使っている海苔、油、料理全般に使うものは全部上がっています。業者さんが紙を持ってくると、値上げかなと思っちゃうんで。一時期ひどいときは毎週のように持ってきて。なんとか企業努力で変えずに頑張ってやっております」

　食材の価格が軒並み値上がり。使う量を少し減らしたり、人件費を節約するなど、なんとかワンコインに収まるように努力しています。

坂本代表：
「500円を超えてくると、なかなか毎日気軽に来てもらうことが難しいのかなというところがあるので、500円は超えないようにやっていきたいなと。（コーヒー豆まで）上がらないことを願っています、今はそれだけです」

　コーヒー豆の価格は今後も先行き不透明で、客のためギリギリの努力が続きます。