【日本ハム】王者オリックスに連勝ならず 柏原純一氏が惜しむ〝打てる捕手〟田宮裕涼の使いどころ
東スポWEB / 2024年5月5日 6時9分
【柏原純一「烈眼」】昨年のパの王者相手に、やはり簡単には「連勝」とはいかなかった。日本ハムは4日のオリックス戦(京セラ)を、1―3で落とした。
相手先発エスピノーザは試合前の時点で、防御率0点台の好投手。6回まで8安打と毎回塁上をにぎわせたが、結果的には、清宮の犠飛による1点止まりで、6回3失点(自責2)の自軍先発・加藤貴の粘投に報いる援護をできなかった。もちろん、いつもいつも打てたら苦労はない。チームとしても、比較的に割り切れる敗戦だと思う。
ただ、ひとつ指摘したい場面がある。2点を追った7回の攻撃だ。
この回から登板のオリックス2番手・宇田川は制球が不安定で、先頭・石井一に四球を与えて無死一塁。続く8番・伏見は初球から3球連続でバントを試み、1ボールから2球連続でファウル。「犠打」のサインで一死二塁とし後続で、最低でも1点差にはしたいという意図が垣間見えた。
しかし、伏見は「三振」に終わって一死一塁。9番・上川畑が3球目をヒットエンドランで二ゴロを打ち、二死二塁と得点圏に走者を進めたが、1番・清宮が遊ゴロに倒れ、好機を生かせなかった。
少し残念だったのは、上川畑への作戦が「2ボール」だった点。宇田川は登板時からボール先行で、ストライクを取るのに苦労していた。「じっくり見極める」のも、手だったようにも感じる。もう1人走者が出れば同点の走者にもなり、敵ベンチに与える影響も少なからず変わっていった可能性もあったからだ。
さらに言えば、ストライクを取りにきた3球目を上川畑に狙わせ「あわよくば」と、安打などの出塁で一打同点の好機も視野に作戦を企てたのであれば、その前の捕手・伏見のところで「代打・田宮」の手もあった。
直前の6回で先発・加藤は89球を投げ、7回以降は2番手にスイッチ。7回表の攻撃は、先発が投げている限りなかなかできない「バッテリー替え」も可能な状況。捕手とはいえ田宮は目下、試合前まで規定未満も3割6分4厘の高打率で、攻撃においても、キーマンのひとり。前日は3番に置いているところからも、それは間違いない。
結果的に2点差で試合は進み、田宮は9回一死一塁からの代打だった。もうひと回り、早い段階で「打てる捕手」の彼を打席に投入していたら、どうだったか…。
もちろん、結果からしか語れない部分。だが、今後も先発捕手はベテラン・伏見と攻守に成長著しい田宮の併用は続く。新庄監督ら首脳陣がベンチワークとして今後、より良い一手を打つため、大いに再点検してほしい場面だ。(野球評論家)
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