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5万円で買える米国高配当株5選!2024年6月権利落ち分を解説

トウシル / 2024年5月17日 7時30分

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5万円で買える米国高配当株5選!2024年6月権利落ち分を解説

 米国の株式市場は世界最大の時価総額を持ち、建国当初から株価は右肩上がりの成長を続けています。その理由の一つとして、常に企業の新陳代謝が起こり、時代ごとに革新的な企業を生み出していることが挙げられます。

 米国株式の代表的な株式指数は、鉄道・公共事業以外の工業株30銘柄で構成される「NYダウ平均株価」、NASDAQ(ナスダック)に上場している全銘柄を対象とした「ナスダック総合株価指数」、NYSE(ニューヨーク証券取引所)とNASDAQに上場している大型株500銘柄を対象とした「S&P500種指数」があります。

 これらに採用されている企業は長期間にわたり利益を出し続け、株価も上昇し、配当を増配し続けている銘柄も珍しくはありません。

 そこで2024年6月権利落ちの米国株高配当5銘柄について解説します。

▼参照データ
•    株価…楽天証券のHPにて、日本時間2024年5月14日終値を採用
•    時価総額…楽天証券のHPにて、日本時間2024年5月14日時点の記載情報を採用
•    配当情報、決算情報…Investing.comのHPにて、日本時間2024年5月14日時点の記載情報を採用
•    為替:1ドル =156.50円で計算
※上記日付のデータで数値を抽出・算出しております。記事公開後の市況変動で数値が異なる場合がございますので、ご了承いただきますようお願いいたします。

 その前に、日本と米国の高配当銘柄への投資で、特に重要な三つの違いについて、お伝えします。

(1)米国株の配当金は、通常米国で10%、日本で20.315%の2段階、約30%の課税がされます。しかし確定申告で還付を受けることにより、日本株と同じように20.315%の税率と同じになります。

 ただし、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)口座で購入した場合は、日本での利益・配当金はもともと非課税のため、還付を受けることはできません。この場合は米国で10%の課税のみとなります。

※米国市場で上場していても、国籍が米国籍企業以外の場合、配当金にかかる源泉税率は日本との租税条約によって異なり10%ではありません。

(2)米国株は日本株と異なり、権利落ち日が月末に集中していません。そのため、銘柄ごとに権利落ち日を確認する必要がありますので注意が必要です。

(3)米国株は日本円で買う円貨決済と、米ドルで買う外貨決済を選べます。日本円から外貨に替える為替手数料も積もれば大きな金額になるので、米国株を買い続けるなら売却時にも外貨決済で米ドルにしなければ無駄に手数料を支払うことになります。

 そして、いよいよ2024年1月から制度改正された新NISAが始まりました。つみたて投資枠と成長投資枠に分かれていますが、米国株も投資できる成長投資枠では、年間240万円を運用期間無期限かつ最大1,200万円まで投資が可能となり、制度期間も恒久化されます。

 これまで1年間の枠を気にしたり、ロールオーバーなどで手間暇がかかったりしましたが、それもなくなり、非常に使いやすい制度になります。

 とはいえ、米国株でNISAを必ず枠全部まで利用しなければいけないわけではありません。運用期間が無期限になったことにより、自分のペースで投資をすることができますので、無理のない範囲で長期投資の手段として有効活用していきましょう。

【2024年からの新NISA制度について、詳しい説明はこちら

米国高配当株1:クラフト・ハインツ(KHC)

 1869年創業の歴史を持つグローバル食品メーカーで、「Let's Make Life Delicious」という目的にインスパイアされ、変革を推進しています。

 消費者はクラフト・ハインツの全ての活動の中心で、象徴的で新興の食品・飲料ブランドを世界規模で成長させることに全力を注いでおり、消費者主導の6つの製品プラットフォームのポートフォリオでクラフト・ハインツのパワーを最大限に引き出しています。

 地球市民として、持続可能で倫理的な影響を与えることに専念し、健康的で責任ある方法で世界を養うことに貢献しています。

 時価総額は433億6,200万ドルで、日本円で約6兆7,800億円となっています(1USD=156.50円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「北米事業(North America)」で、続いて「国際先進国事業(International Developed Markets)」、そして「新興国事業(Emerging Markets)」となります。

 2024年第1四半期に、内部報告および事業が変更され従来の「北米事業」と「国際市場」から、「北米事業」と「国際先進国事業」に表記が変わりました。

 以前の事業は2023年において最大顧客であるウォルマート・インクを中心に、「北米事業」では5大得意先が売上高の約46%を占め、「国際先進国事業」では5大得意先が売上高の約14%を占めました。

※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

競合他社

 競合他社として、チョコレート、ビスケット、焼き菓子の製造・販売を中核事業とし、ガムやキャンディ、チーズ、食料品、粉末飲料など、隣接する地域に関連するカテゴリーで追加事業を行うスナック会社であるモンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)、米ブランド食品および飲料製品の製造およびマーケティングを行う会社であるキャンベルスープ(CPB)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を下回って推移していますが、配当は横ばいで推移しています。元々値動きの大きい銘柄ではなく、2021年以降は一定の範囲内で株価は推移しています。

 会社側は直近の決算において、「エンド・ツー・エンドの効率化を図り、売上成長を促進するために再投資を行うという当社の戦略的重点が引き続き成果を上げていることをうれしく思います」としており、「これらの結果我々は2024年の見通しを再表明し、利益ある成長を推進する能力に引き続き自信を持っています」と発表しています。

 2024年は、調整後売上総利益率が前年度比50~100bpの拡大が見込まれることもあって、調整後営業利益は前年比2~4%の成長の見通しであり、今後も堅調な株価が期待されます。

業績動向

 2024年5月1日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想通りとなり、売上は市場予想を若干下回りました。

 決算について会社側は、「第1四半期の業績は、グローバル・アウェー・フロム・ホーム、新興市場、北米リテール・アクセルレート・プラットフォームの3つの戦略的柱のそれぞれで成長し、販売数量も前四半期に引き続き回復したことから、予想通りの結果となり、同時に当四半期の営業利益は前年同期比で増加しました」と発表しています。

 また、「引き続き事業への再投資を促進し、グロス効率目標の達成に貢献していますが、これらの再投資は、イノベーション、ブランドの優位性、破壊的なマーケティング、卓越した販売、成長を促進するための生産性の向上を後押ししています」とも発表しており、今後も堅調な業績が期待されます。

 次回2024年7月31日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 主要原材料の多くについて、価格変動の影響を抑えるためのさまざまな商品ヘッジ手法を用いているが完全にはヘッジができないため、予期せぬ変動が起きた際には業績に悪影響を及ぼす可能性がある点について会社側もリスクとして発表しています。 

株価動向、配当利回り紹介

配当:1.60ドル
配当利回り:4.41%
株価:36.49ドル(約5,700円)

 この銘柄、権利落ち日は66日(権利実施は628日)です。

 配当利回りは514日時点で4.41%、株価は514日終値が36.49ドルでおよそ5,700円から購入できます(1USD=156.50円計算)。

 2022年からの最高値は44.29ドル、最安値は30.81ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株2:NLインダストリーズ(NL)

 1891年にニュージャージー州法人として設立されました。

 NLインダストリーズは、過半数所有子会社であるCompX International Inc.(NYSE:CIX)を通じて、さまざまな用途や業界で利用されるエンジニアリングコンポーネントを製造するとともに、Kronos Worldwide, Inc.(NYSE:KRO)の非支配持分を通じて付加価値の高い二酸化チタン顔料(TiO2)の世界有数の生産者および販売者として事業を展開しています。

 時価総額は4億2,000万ドルで、日本円で約650億円となっています(1USD=156.50円換算)。

事業の注目ポイント

 事業内容は開示されていません。 

 計上されている売上はCompX International Inc.のみで構成されており、CompX International Inc.では「セキュリティ製品(Security Products)」と「船舶用部品(Marine Components)」が事業の中心となっています。

 Security Productsでは、さまざまな用途に使用される機械式および電気式のキャビネットロックやその他のロック機構を製造しており、Marine Componentsではスキー/ウェイクボードボート(トーイングボート)とパフォーマンスボート用のウェイク強化システムなどを製造しています。

競合他社

 競合他社として、産業用ツール、サービス、テクノロジー、ソリューションプロバイダーであるエナパック・ツール・グループ(EPAC)、船舶用およびオフハイウェイ用の高荷重パワートランスミッション機器の設計、製造、販売を行うツイン・ディスク(TWIN)、サプライチェーン管理のアウトソーシングサービス、生産ラインで使用される資本設備、および製品を組み立てるために使用される製造コンポーネントを顧客に提供する国際会社であるパーク・オハイオ・ホールディングス(PKOH)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を上回って推移しており、配当は今年に入って増配しています。今年の3月に発表された決算が市場予想を大きく上回ったことで、株価は上昇し年初の水準を上回っています。

 NLインダストリーズはKronos Worldwide, Inc.の約31%の非支配持分を持分法により会計処理していますが、Kronos Worldwide, Inc.の業績が改善していることを受けてNLインダストリーズの株価も上昇しています。

 2024年について会社側は、Kronos Worldwide, Inc.の業績について通年の営業成績が2023年通年と比較して向上すると見込んでいることからも堅調な株価が期待されます。

業績動向

 2024年5月8日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想を上回り、売上は市場予想が開示されていません。

 売上についてCompX International Inc.では2024年を通してSecurity ProductsとMarine Componentsの売上高が2023年を下回るため全体としても下回ると予想しております。

 一方、Kronos Worldwide, Inc.では昨年酸化チタンが全ての主要市場において大幅な需要減退に見舞われましたが、2023年第4四半期から2024年第1四半期にかけて需要が増加し、生産コストも改善した結果、売上高に対する売上原価の比率は前年同期の93%から85%に改善している状況です。

 今後については、全体として1株利益がさらに上昇する見込みであり今後も堅調な業績が期待されます。

 次回2024年7月31日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 エネルギーコストの高騰を含む世界的な市場混乱に見舞われており、将来的な事業への影響はとりわけその点について大きく左右される点が懸念点であると会社側も発表しています。

株価動向、配当利回り紹介

配当:0.32ドル
配当利回り:4.06%
株価:6.50ドル(約1,000円)

 この銘柄、権利落ち日は6月上旬の予定(権利実施は6下旬)です。

 配当利回りは514日時点で4.06%、株価は514日終値が6.50ドルでおよそ1,000円から購入できます(1USD=156.50円計算)。

 2022年からの最高値は10.54ドル、最安値は4.59ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株3:インターパブリック・グループ・オブ・カンパニーズ(IPG)

 マーケティング、コミュニケーション、ビジネストランスフォーメーションサービスを提供し、今日のデジタル経済におけるマーケターやブランドの成功を支援しており、クリエイティビティとテクノロジーの力を融合させ、約5万7,400人の従業員と事業拠点を世界の主要市場に展開しています。

 クライアントのために制作する仕事は、クライアント独自のニーズに特化したもので、プロジェクトベースの活動から長期的で完全に統合されたキャンペーンまでさまざまです。

 100カ国以上で事業を展開しているため、1つの地域で活動することも、グローバルに統合されたプログラムを提供することも可能となっています。

 時価総額は117億7,500万ドルで、日本円で約1兆8,400億円となっています(1USD=156.50円換算)。

事業の注目ポイント

 持株会社で保有している事業会社は「MD&E」で、続いて「IA&C」「SC&E」となります。

「MD&E」では、IPG MediabrandsとAcxiom、およびデジタルとコマースの専門エージェンシーであるMRM、R/GA、Hugeで構成され、「IA&C」では、マッキャン・ワールドグループ、IPGヘルス、ミューレン・ロウ・グループ、Foote, Cone & Belding(以下FCB)、および国内の総合エージェンシーを含む、幅広いサービスを提供する一流のグローバルネットワークとエージェンシーで構成されています。

※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

競合他社

 競合他社として、グローバルマーケティングおよびコーポレートコミュニケーション会社であるオムニコム・グループ(OMC)、アウトソーシングソリューションの販売およびマーケティングソリューションを提供する会社であるアドバンテージ・ソリューションズ(ADV)、デジタル広告在庫の購入と販売を自動化するテクノロジーソリューションを提供するマグナイト(MGNI)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を下回って推移していますが、配当は今年に入って増配しています。

 コロナ発生時は大きく株価が下落しましたが、その後上昇し現在はコロナ発生前の水準を上回って推移しています。

 会社側は直近の決算発表で、「最近発表したアドビとの提携を中心に、ジェネレーティブAIなどのテクノロジーをマーケティング・サービス機能の中核に統合し、コンテンツのアイデア創出、制作、アクティベーションのスピードアップを図っています」と発表しており、また、米国が長らく待ち望んでいた景気後退を回避するとの確信が、ぜい弱ながらも広がり始めたとも発表しており、今後の業績拡大と株価回復が期待されます。

業績動向

 2024年4月24日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。

 会社側は直近の決算発表で、「第1四半期の業績は、堅実な年明けを象徴するものであり、当社の2024年目標に沿ったもので、当社のデータとテクノロジーを駆使したメディア提供、ヘルスケア・マーケティング、PR機能が引き続き好調に推移し当社の成長をけん引しており、マーケティング担当者のセンチメントは昨年後半に比べ改善し始めており、新規ビジネスのパイプラインはより活発になっています」と発表しています。

 また、「通期では引き続き1~2%の有機的成長を達成する見込みで、この範囲の成長であれば、通期の調整後EBITDA利益率は16.6%となる見込みです」とも発表しており、今後も堅調な業績が期待されます。

 次回2024年7月18日に開示予定の四期決算で、前年同期を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 会社側は、現在進行中の重要なクライアントによる最近の決定が今年の収支に悪影響を及ぼし、目標の上限を達成することがより困難になる可能性がある点には懸念を示しています。

株価動向、配当利回り紹介

配当:1.32ドル
配当利回り:4.23%
株価:31.40ドル(約4,900円)

 この銘柄、権利落ち日は6月上旬の予定(権利実施は6下旬)です。

 配当利回りは514日時点で4.23%、株価は514日終値が31.40ドルでおよそ4,900円から購入できます(1USD=156.50円計算)。

 2022年からの最高値は40.88ドル、最安値は25.32ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株4:ゴラールLNG(GLNG)

 市場をリードするFLNG事業(洋上LNGプラント、Floating LNG)を提供し、ガス資源保有者に対し、座礁ガス埋蔵量を収益化するための、実績のある、迅速かつ低コストなソリューションを提供しています。

 FLNGプロジェクトは、地理的、技術的、経済的な制約により、埋蔵ガスをLNGに転換する能力が制限されている座礁ガス埋蔵量(海底油田から供給される希薄ガスなど)に対するソリューションで、液化ソリューションでは液化技術を既存のLNG運搬船に搭載し、完全なFLNGにするものでゴラールLNGは現在、ガス資源所有者にFLNGをサービスとして提供できる唯一の企業であります。

 時価総額は26億9,800万ドルで、日本円で約4,200億円となっています(1USD=156.50円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「洋上LNGプラント事業(FLNG)」で、続いて「コーポレート&その他(Corporate and other)」「配送事業(Shipping)」となります。

「洋上LNGプラント事業」では、LNG運搬船をFLNG船に改造したり、FLNG船を新たに建造して第三者に委託したりしており、「コーポレート&その他」では、船舶管理、第三者向けの浮体式貯蔵・再ガス化ユニット(FSRU)サービス、関連会社および第三者向けの管理サービスなどを提供し、「配送事業」では、LNG船の輸送事業が含まれています。

※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

競合他社

 競合他社として、タンカー業界から国際海運市場への石油、精製石油製品の海上輸送を行うモナコを拠点に石油精製品の輸送を行う企業であるスコーピオ・タンカーズ(STNG)、国際旗国市場で原油および石油製品のエネルギー輸送サービスを提供するタンカー会社であるインターナショナル・シーウェイズ(INSW)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を上回って推移しており、配当は昨年復活しています。

 FLNG業界は発展の初期段階にあり、ゴラールLNGは現在、FLNGサービスを提供する他のプロバイダーとの大きな競争に直面していないと発表しており、好調な業績もあって株価は上昇しています。

 現在、船隊は2隻のLNG船と2隻のFLNG(FLNG HilliとFLNG Gimi)で構成されているが、FLNG Hilliではブレント原油価格が1バレル当たり60ドルから契約上限価格までの間で1ドル上昇するごとに、年間約310万ドル(ゴラールLNGの取り分は270万ドルに相当)の追加キャッシュを生み出すと発表しており、ブレント原油価格が高水準を維持していることからも今後も好調な業績とそれに伴う堅調な株価が期待されます。

業績動向

 2023年2月29日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想を上回り、売上は市場予想通りとなりました。

 直近の決算では、FLNG Hilliが市場をリードする操業実績を維持し、2023年の生産目標を上回ったことや、ブレント原油価格の上昇により好調な業績となりました。

 また、2024年1月10日にはFLNG Gimiがモーリタニア・セネガル沖のGTAガスハブに到着し操業開始の準備が整った状態となっており、最初のガス供給は2024年第3四半期となる見込みで、約6カ月の試運転期間を経てその後COD(商業運転)が開始される予定だが、CODを契機に20年間のリース&オペレート契約が開始されると会社側は発表しており、今後も堅調な業績が期待されます。

 次回は2024年5月28日に四半期決算の開示予定ですが、市場予想を上回る数字を出せるか注目です。

注意点

 会社側は将来、他社がFLNG業界に参入し、競争が激化することが予想されると発表していることと、ブレント原油価格によって業績が変動する点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:1.00ドル
配当利回り:3.86%
株価:26.29ドル(約4,100円)

 この銘柄、権利落ち日は6月上旬の予定(権利実施は6中旬)です。

 配当利回りは514日時点で3.86%、株価は514日終値が26.29ドルでおよそ4,100円から購入できます(1USD=156.50円計算)。

 2022年からの最高値は29.94ドル、最安値は12.79ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株5:パシフィック・パワー・アンド・ライト(PPL)

 ペンシルベニア州アレンタウンに本社を置く、1994年に設立された公益持株会社です。

 公益事業子会社を通じて、ペンシルベニア州、ケンタッキー州、バージニア州、ロードアイランド州の顧客に電力を供給し、ケンタッキー州とロードアイランド州の顧客に天然ガスを供給し、ケンタッキー州の発電所で発電を行っています。

 子会社のPPLエレクトリックはペンシルベニア州東部および中部において、LKEは傘下のLG&EおよびKUを通じてケンタッキー州において、RIEはロードアイランド州においてそれぞれ事業を展開しています。

 時価総額は213億2,800万ドルで、日本円で約3兆3,300億円となっています(1USD=156.50円換算)。  

事業の注目ポイント

 事業の中心は「ケンタッキー州規制事業(Kentucky Regulated)」で、続いて「ペンシルベニア州規制事業(Pennsylvania Regulated)」「ロードアイランド州規制事業(Rhode Island Regulated)」となります。

「ケンタッキー州規制事業」では、LG&Eを通じてケンタッキー州において発電、送電、配電、販売、天然ガスの配電、販売を行うとともに、KUを通じてケンタッキー州およびバージニア州において発電、送電、配電、販売を行っています。

「ペンシルベニア州規制事業」では、PPLエレクトリックを通じてペンシルベニア州東部および中部で送電・配電サービスを提供しています。

※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

競合他社

 競合他社として、子会社を通じて、インディアナ州、ルイジアナ州、ミネソタ州、ミシシッピ州、オハイオ州およびテキサス州の顧客にサービスを提供する送電、配電、発電施設および天然ガス配給施設を所有・運営するエネルギー配送会社であるセンターポイント・エナジー(CNP)、エネルギーインフラへの投資、開発、運営、顧客への電気およびガスサービスの提供を行う北米のエネルギーインフラストラクチャ企業であるセンプラ・エナジー(SRE)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を上回って推移しており、配当は今年に入って増配しています。業種柄、あまり値動きの大きい銘柄ではなくコロナ発生以降は一定の範囲内で株価は推移しています。

 会社側は直近の決算において、「第1四半期の堅調な業績と事業計画への継続的な自信を背景に、本日、1株当たり1.63~1.75ドル(中間値は1.69ドル)の継続的な業績予想レンジを再確認します」と発表しています。

 また、「送電網を近代化し、より強力で頻繁な悪天候に対する送電網の回復力を強化し、顧客と地域社会にとって安全で信頼でき、手ごろな価格で持続可能なエネルギーの未来を推進し同時に、顧客にとって手ごろな価格でエネルギーを供給し続けるために、未来の公益事業戦略を通じて効率化を推進し続け、目標とする年間運転・保守コストの削減を達成するペースを維持していきます」と発表しており、今後も安定した業績とそれに伴う堅調な株価が期待されます。

業績動向

 2024年5月1日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。

 2023年第1四半期に比べて気温が低かったことや、送電収入の増加、営業費用の減少によって好調な業績となりました。

 会社側は直近の決算において、「2021年の基準から2026年までに少なくとも1億7,500万ドルの年間運転・保守コスト削減を目標とし、2024年末までに1億2,000万ドルから1億3,000万ドルの削減を計画し、加えてPPLは、2024年の継続的な利益予測レンジの中点を基準として、少なくとも2027年まで年間6%から8%の利益と配当の成長予測を再確認した」と発表しています。

 米国の公益事業セクターで最も優れたバランスシートを維持しながら、この成長を達成できると見込んでいるとも発表しており、今後も堅調な業績が期待されます。

 次回2024年8月1日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 送電網の近代化を進め、異常気象の影響を緩和し、信頼性を向上させるための設備改善に取り組んでいますが、これは会社側が悪天候の頻度や深刻さの増加など、気候変動に伴うさまざまなリスクを懸念しているためです。

株価動向、配当利回り紹介

配当:1.03ドル
配当利回り:3.53%
株価:29.17ドル(約4,500円)

 この銘柄、権利落ち日は6月上旬の予定(権利実施は7上旬)です。

 配当利回りは514日時点で3.53%、株価は514日終値が29.17ドルでおよそ4,500円から購入できます(1USD=156.50円計算)。

 2022年からの最高値は30.91ドル、最安値は22.55ドルとなっています(終値ベース)。

■著者・西崎努氏の著書『60歳を過ぎたらやってはいけない資産運用』(アスコム刊)『老後資産の一番安全な運用方法 シニア投資入門』(アスコム刊)が大好評発売中です!

【要チェック】
 楽天証券「トウシルの公式YouTubeチャンネル」では、同筆者が執筆した「やってはいけない資産形成」のコラムを動画で視聴できます。

 また、リーファス社の公式YouTubeチャンネル『ニーサ教授のお金と投資の実践講座』では、同コラムの他にも動画でお金と投資の知識を学ぶことができます。

(西崎努)

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