「HPVワクチン」に疑問を持つ人が知らない事実 男性への接種補助も一部の自治体でスタート
東洋経済オンライン / 2024年4月11日 11時50分
子宮頸がんを予防するのに最も有効なのはHPVワクチン接種だ。最も有効なHPVワクチンを3回接種すると約10万円かかるが、国が定めた対象者は全額公費助成(自腹なし)してもらえる。
HPVワクチンは、小学6年生から高校1年生相当の年齢の女子に対して公費での接種が行われている。3種類のワクチンが日本国内では入手が可能で、サーバリックス(2価)、ガーダシル(4価)、シルガード(9価)だ。現在、ほとんどの方はシルガードを選択している。理由は、子宮頸がん予防効果が最も高いからだ。15歳以上の方は、初回、2カ月後、6カ月後の3回接種だが、15歳未満で接種を開始する場合、初回、6カ月後の2回接種も有効性が確認されている。
接種機会を逃した人たち
日本でのHPVワクチンは2013年から予防接種法に基づく公費接種が始まった。実際には、それ以前から自治体からの費用助成が行われていたが、「正式な公費接種」となったのは2013年だ。しかし、接種後にさまざまな症状を訴える人が多く現れ、重大な副反応なのか否かを吟味するため、事実上接種は一旦取りやめとなった。正式には、「積極的接種勧奨」=「接種対象者のいる世帯に自治体から通知をすること」が停止したのみで、公費での接種は継続されていたが、接種する人がほとんどいなくなった。
その積極的接種勧奨が停止されている期間に、小学校6年生から高校1年生までの接種期間がスッポリ被ってしまった人は、ワクチンについて何ら知らされず、機会を逃してしまったことになる。そこで、現在ではキャッチアップ接種として、機会を逃した人に対して公費での助成が提供されている。厚労省のホームページによると、対象者は以下の条件を満たす人だ。
・平成9年度~平成19年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性
・過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない
この条件に合致する人は、令和7(2025)年3月まで、HPVワクチンを公費で接種できる。申し込み方法など詳細は、お住まいの自治体のホームページで確認してほしい。
本当に子宮頸がんを予防するのか?
HPVワクチンは本当に子宮頸がんを予防するのか? もちろん、イエスだ。すでに複数の研究で、HPVワクチンを接種した人たちの間で子宮頸がんの発生が少ないことが報告されている。がんの原因となるHPV感染をワクチンで防ぐことが、がんを減らしたのだ。
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