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グーグルの「クチコミ」削除が難しい深刻な事情 主観的な感想だからこそ、高いハードルがある

東洋経済オンライン / 2024年4月20日 11時0分

(編集部撮影)

「院長が偉そうで、最悪の対応でした。こんなクリニックには二度と行きません。」

「出てきた海鮮丼は臭みがあって食べられたものじゃなかった。半分以上残しました。」

Googleマップを見ていると、クリニックや飲食店に対するこうしたネガティブなクチコミを目にすることはないだろうか。

Googleマップは単なる地図アプリではなくクチコミ機能があり、Googleアカウントさえあれば、登録されているスポットについて自由に投稿することが可能だ。5段階評価の「星」の数と「クチコミ」が表示され、投稿された内容は検索結果からも簡単に閲覧できる。Googleマップが、街に存在するあらゆる店舗等を評価する場になっていることは、一般的に誰でも認知しているといえるだろう。

「削除」のハードルはかなり高い

しばしば弁護士である筆者の元には、事業者から「Googleマップに事実無根のことを書かれたので消したい」「Googleマップの星1だけの投稿を何とかしたい」といった相談が寄せられる。

Googleマップのクチコミや星の数の投稿は、投稿者の身分を明かす必要はなく誰でもでき、気軽に投稿できる。そのため、クチコミを書かれた側としても、「身に覚えがない投稿なら、簡単に削除できるはずだ」と考える人が少なくない。しかし、実際にはクチコミを削除することは簡単ではなく、むしろハードルはかなり高い。

人は良いことがあったときに何かを投稿しようと思うよりも、何かしら不満を感じた際にそれを吐き出すために投稿しようと思いがちだ。そのため、クチコミはその性質上ネガティブなものに偏る傾向がある。Googleマップのクチコミは、具体的なエピソードが書かれている場合もあるが、抽象的な内容で特に根拠を示さず「不満を覚えた。」といった感想めいた内容が記載されている場合も多い。

Googleは、Legalヘルプというページで「法律に違反している、またはお客様の権利を侵害していると思われるコンテンツをGoogleサービスで見つけた場合は、Googleにお知らせください。Googleではそのコンテンツを審査にかけ、コンテンツへのアクセスをブロック、制限、または削除するかどうかを検討します。」と記載している。

しかし、試したことがある方なら分かると思うが、ウェブフォームからの請求をしてもほぼ拒否されてしまう。Googleが削除するのは、事実上、裁判で削除が命じられた場合に限られる。

裁判所に「削除」を認めてもらう条件

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