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我が子と一緒に考える「借金」の意外な経済効果 借金をすることは「いい事」なのか「悪い事」か

東洋経済オンライン / 2024年4月29日 15時0分

(©︎HITSUJI WATABE/CORK)

元日経新聞編集委員の高井宏章さん。高井さんが娘のために書いた『おカネの教室』では、世の中を動かすお金と経済の仕組みの本質をわかりやすく解説しています。今回は『漫画版  おカネの教室』を一部抜粋・再構成し、子どもと考える、借金に対する考え方について解説します。

借金に対してどんなイメージ?

みなさんは、「借金」と聞くと、どのようなイメージを持ちますか? おそらくは、「やってはいけないこと」「しないほうがいいもの」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

【漫画で読む】『漫画版  おカネの教室』中学生が先生からお金を借りる

もちろん扱いを間違えれば、借金は恐ろしい落とし穴になってしまいます。しかし、「借金」がないと、経済のシステムがうまく回らないこともまた事実です。

今回は、拙著「漫画版 おカネの教室」を使いながら、借金の効果についてお話ししたいと思います。まずは、中学生が先生からお金を借りるシーンをご覧ください。

※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

いかがでしょうか?

私は、「お金にはタイムマシンのような機能がある」と考えています。突拍子もない話に聞こえるでしょうか。しかもその代表例が「借金」だと聞けば、さらに意外に思う人も多いと思います。実際、お金は時間を越える力が備わっています。

今、あなたは100万円が必要です。でも手元にお金がない。仕方ないので、今すぐ使わないお金を持っている誰かから100万円を借ります。期限は1年としましょう。1年後、あなたは貸し手にお金を返します。

この一連の流れから「お金の貸し手」を消し去ってみましょう。

今のあなたはお金を持っていない。でも、1年後のあなたは100万円を持っているのです。突き詰めれば、その100万円は「未来のアナタ」から借りたと考えてもいいのではないでしょうか。

返済のための100万円は、仕事をして稼ぐなり、株式投資でもうけるなり、何とかしてあなたが1年かけて貯めたものでしょう。

借金すれば、今のあなたは1年後の「未来のアナタ」を頼りにできるのです。まるでタイムマシンのようではないでしょうか。

さて、今度は貸し手の立場になって考えてみましょう。誰かにお金を貸せば、その間は自分では使えません。貸し手はその不都合を我慢することになる。何かご褒美がなければ、現在の貸し手は「未来の貸し手」を納得させられないでしょう。

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