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JR九州の新列車「かんぱち・いちろく」何が違う? 座席や窓など随所に「脱・水戸岡デザイン」

東洋経済オンライン / 2024年4月29日 6時30分

4月26日に運行を開始したJR九州の観光列車「かんぱち・いちろく」(撮影:尾形文繁)

JR九州の観光列車にまた1つ新顔が登場した。4月26日に博多―別府間を結ぶ「かんぱち・いちろく」が運行開始したのだ。

【写真50枚以上】4月26日に運行を開始したJR九州の「かんぱち・いちろく」。これまでの観光列車と何が違う?

博多と由布院・別府エリアを結ぶ観光列車は複数ある。久大本線ルートではスタイリッシュな緑色をまとった特急「ゆふいんの森」が毎日3往復程度運行する。また、その豪華絢爛ぶりで「ななつ星 in 九州」に匹敵する「或る列車」が土日を中心に1日1往復する。日豊本線ルートでは1週間かけて九州全域を走る豪華列車「36ぷらす3」が毎週日曜日に大分から別府、小倉を経て博多まで運行する。「ゆふいんの森」はスピード重視で所要時間は2時間程度と短い。逆に「或る列車」や「36ぷらす3」は時間をかけて運行し、車内で地元産の食材を使った料理を味わったり、沿線の各駅で途中下車して地元の人たちと交流したりすることに主眼を置く。

人気ルートに新観光列車

「博多から由布院・別府エリアに向かう観光列車はインバウンドに大人気。もう1本投入しようということになった」。JR九州の古宮洋二社長は4月19日の報道公開時のあいさつでこう話した。JRグループの大型観光施策「デスティネーションキャンペーン」が4月1日から6月30日まで福岡・大分両県で開催。投入時期はそのタイミングに合わせた。

車両は新造ではなく、かつて肥薩線を走っていた観光列車「いさぶろう・しんぺい」に使われていたキハ47形2両とJR九州管内の普通列車などで活躍したキハ125形1両を改造し、3両編成の列車に仕立て上げた。久大本線経由のルートを使い、木曜を除く毎日、約4時間半かけて1日1便(片道のみ)運行する。博多から別府方面に向かう列車が「かんぱち号」、別府から博多方面に向かう列車が「いちろく号」となる。

「かんぱち・いちろく」というユニークな名前は久大本線の全線開通や形成に尽力した2人の実業家、麻生観八と衛藤一六の名前に由来する。麻生観八は大分県九重町に本社を置く八鹿酒造の3代目、衛藤一六は旧大分県農工銀行の頭取を務めた。

車両デザインは鹿児島県の建築会社IFOO(イフー)がデザインを担当することに決まった。「ヤフーで検索してイフーさんを見つけた」と古宮社長は話したが、もちろん冗談。イフーはJR九州と連携して利用者の少ないローカル線の駅を活用したまちづくり事業に取り組んでおり、JR霧島神宮駅の駅構内をリノベーションするなどの実績を持つ。鉄道車両のデザインにも関心を示しており、「地元を大切にしており、その理念に共感した」と、古宮社長は起用の理由を説明する。

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