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ハウス、500万個突破「クロスブレンド」の大勝負 定番バーモントカレーとの密接な関係とは?

東洋経済オンライン / 2024年5月5日 7時0分

商品を担当するハウス食品の山本氏は、スパイスでコクなどを表現したことが特徴だと話した(記者撮影)

カレールウで国内首位のハウス食品。同社の三大カレーは「バーモントカレー」「ジャワカレー」「こくまろカレー」という大箱のルウ商品だ。昨年、そのラインナップに約10年ぶりの新ブランドが加わった。「X-BLEND CURRY(クロスブレンドカレー)」だ。

【写真】今年2月に辛口が登場した「クロスブレンドカレー」、新顔だが市場への浸透は早かった

クロスブレンドカレーはスパイス感を前面に打ち出した商品だ。2023年8月に甘口と中辛を発売すると、5カ月で累計売り上げが500万個を突破するヒットになった。2024年2月には新たに「辛口」を投入し、さらなる攻勢に出ている。

カレーは日本の食卓に欠かせない存在だ。歴戦のロングセラーが並ぶ中、久々の新ブランドが家庭の支持をがっちりとつかんだ理由は何か。

「こくまろ」と「ジャワカレー」の間のニーズ

開発がスタートしたのは2022年2月のこと。コロナ禍では食事を家庭でとる機会が増え、家庭用スパイスの購入金額は順調に伸びていた。ハウスは「以前よりもスパイスが受け入れられやすくなっている」と考えていた。

一方で、ハウスはカレーにおいても消費者の嗜好の幅が広がり、従来のラインナップではカバーできない領域が生まれつつある、といった課題も認識していた。

主力の「バーモントカレー」は子どもを持つ世帯を軸に幅広く支持されている。焦点となったのは、コクとまろやかさを重視し、食べ盛りの世代から大人向けにも対応した「こくまろカレー」と、大人向けで辛くスパイシーな「ジャワカレー」の間の空白地帯だった。

開発陣はこの隙間に「辛さだけではない、スパイス感を求めるニーズがある」と考えた。数多くのスパイスを用いて、スパイスが主役のカレーを作れば広く受け入れられるのではないか。開発の方針は固まっていった。

スパイスが主役なだけに、通常は調味料を駆使する「コク」も、香りで打ち出そうと画策。ハウスのカレールウ製品の中では、数十種類と過去最多レベルのスパイスを使用することになった。

スパイスは同じ種類のものでも産地や加工度によって特徴が異なる。スパイスの選定には7カ月、通常の3倍もの時間を費やした。

また、スパイスは組み合わせる種類が多いほど、風味がとがらずにまとまる傾向がある。調合を工夫し、トレンドであるインド風スパイスの特徴を出しつつ、子どもから大人まで食べられる「おうちカレーらしさ」にもこだわった。

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