円安でも意外に安価「ノルウェー鉄道旅」の醍醐味 物価高対策にはコツがある、ITには慣れる必要
東洋経済オンライン / 2024年5月7日 6時30分
2023年9月にノルウェーを鉄道で旅した。2023年11月27日付記事(物価高でも乗りたい「デンマーク鉄道旅」の魅力)でも触れたとおりデンマークの鉄道旅行はその「安全ぶり」に定評があるが、ノルウェーもデンマーク同様、魅力は「安全」である。
【写真】機関車牽引列車も健在、ノルウェーの旅で出会えるさまざまな鉄道車両たち
キャッシュレス化が進んでいて、約2週間滞在したが現金は必要なかったほか、スリなどの危険を感じる場面もなかった。北欧は全般に人口が少なく、スリやひったくりがいたら目立ってしょうがない。スリなどの立場から考えると居心地が悪いのであろう。ストリートチルドレンなども見かけることがない。海外旅行先の魅力はさまざまな要因があるが、「安全」を優先して選びたいものである。
長距離移動は日本と比べて高くない
乗車券は「ユーレイルパス」のノルウェーのみ、1カ月のうち3日間有効、60歳以上のシニア料金175米ドル(2万6451円)を購入した。
*カッコ内の日本円は筆者が実際にクレジットカードから引き落とされた金額、以下同
一般料金は192米ドルである。円安なので安くは感じないが、日本と同程度の価格なのでそう高くは感じない。
3日間の内訳は、オスロ―クリスチャンサン往復、オスロからベルゲン、トロンハイムからオスロで利用した。ノルウェーの長距離列車は全席が指定席なので、「ユーレイルパス」利用時でも指定席券50ノルウェークローネ(以下NOK、710円)が必要となる。
オスロからベルゲンへ向かった日は、ミュルダールで途中下車、観光路線のフラム鉄道に乗車した。1時間ほどの距離であるが運賃は470NOK(6634円)。「ユーレイルパス」の適用外である。筆者は1990年代にもこの路線に乗車したが、そのときは「ユーレイルパス」を利用している。ほぼ観光客しか利用しない路線なので国鉄から切り離されたのであろう。
ベルゲンからトロンハイムへは空路を利用(東京―大阪間とほぼ同じ距離)、こちらは運賃が6126円と格安、物価高の国でもLCC(Low Cost Carrier=格安航空会社)は日本より安く感じた。
北海道のような雄大な景色
ノルウェーは日本とほぼ同じ面積に人口541万人と少ない(日本の20分の1以下)。首都オスロと第2の都市で観光地のベルゲンを結ぶ路線は電気機関車の引く食堂車を含む客車8両編成だったが、その他の長距離列車の多くは4両編成、うち1両が座席と食堂合造車の電車である。近郊区間を離れると単線で、景色は雄大、道北か道東を走っているような自然が広がる車窓となる。
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