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「空気読めない」発達障害の人に気持ち伝えるコツ 「普通はわかるはず」が通用しないこともある

東洋経済オンライン / 2024年5月16日 8時30分

(出所:『マンガでよくわかる! 発達障害の人が見ている世界』より)

「なぜかいつも周りの人とやることがズレてしまう」「簡単そうに思える意思の疎通ができない」など、さまざまな場面で困りごとを引き起こしてしまう発達障害ですが、その原因について、精神科医の岩瀬利郎氏は「定型発達の人と見えている世界が違うから」だと指摘します。

ではいったい、発達障害を抱えている人の見えている世界とはどういうものなのでしょうか。岩瀬氏の著書『マンガでよくわかる! 発達障害の人が見ている世界』から一部を抜粋・再編集して解説します。

皮肉も社交辞令もまったく通じない

自分なりの強固な世界観を持っていて、相手の気持ちを想像することが苦手だったり、相手の言った言葉を字義通り受け止めがちだったりするASD(自閉スペクトラム症)の人。

【マンガでわかる】言葉の裏側が読めず、周囲をイラつかせてしまう発達障害の例

多動傾向があるため、人の話を黙って聞いていられなかったり、注意散漫で約束をすっぽかしたりすることがあるADHD(注意欠如・多動症)の人。

発達障害の人は、相手との関係性や反応を読むのが苦手なことが多く、周りが「えっ!?」と驚くようなその場にそぐわないことを言ってしまうときもあります。

常にトラブルの火種を抱えて生きているようなもので、それは本人にとってもつらいことであるのは間違いありません。

特に、日本が育んできた和を重んじる文化では、いわゆる“あうんの呼吸”で、みなまで言わずともお互いに理解し合えることを美徳とする側面がありますが、ASDの人もADHDの人も、「空気を読む」ことが非常に苦手。

そんな本人たちの言動の「なんで?」が理解できれば、イライラせずに受け止めることができるようになるはずです。

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

言葉の裏側が読めず、見当違いな受け答えを

ASD の人は、相手の表情や声のトーンから「これは本当の意味ではないな」と察するのが苦手なことがあります。社交辞令やリップサービスを真に受けたり、暗黙のルールがわからなかったりすることも少なくありせん。

ですから、発達障害の人に対しては、伝えたいことは意味通りの言葉でストレートに伝えることが大切です。

"普通はわかる"が通用しないこともある

もしイラッとしてしまうようなら、発達障害の人は定型発達の人とは感覚が少し違う、ということを改めて意識してみてください。たとえば、日本では「粗茶ですがどうぞ」と言ったりしますが、文化的な背景が異なる外国の方には、自然とそうした表現を控えるのではないでしょうか。

このように、“違う文化の人なんだ”と考えて接するのも、発達障害の人と付き合うひとつの手です。

生きづらさを抱えるあなたへのヒント!

遠まわしな表現で気づきを促したり、お世辞や社交辞令を言ったりすることで、私たちは人間関係を維持しています。

それは生きるための知恵。でも、あまりに苦しければ、「できるだけストレートに言って」と周りに頼んでみましょう。

環境が許せば「発達障害の傾向があるかもしれないから」と添えてもよいでしょう。

岩瀬 利郎:精神科医、博士(医学)

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