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ヤマトホールディングスが協業戦略を積極展開 人手不足問題への対応急ぐ

財界オンライン / 2024年4月30日 11時30分

旅客飛行機を改造して「クロネコマーク」のロゴをつけたヤマトグループの貨物専用機

トラック運転手の人手不足が懸念される「2024年問題」。その中で宅配大手のヤマトホールディングス(HD)があの手この手の対応策を繰り出す。

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 同社はJAL(日本航空)と連携して自社専用の貨物機の運航を始めた。同社にとっては初めての貨物専用機の導入となる。従来は荷物を大型トラックで長距離輸送し、現地で小型トラックなどに荷物を分けて配送していたが、首都圏から北海道と九州、沖縄の各地への配送を飛行機に置き換えることで、トラック運転手の負担を減らすと共に、安定した輸送力を維持する考え。

 貨物機を導入する事例は過去にもあった。1991年にJALが物流会社と立ち上げた日本ユニバーサル航空や2005年に佐川急便が設立したギャラクシーエアラインズなどだ。

 ただ、いずれも荷物を集められなかったり、燃料高騰で採算性が低下するなど短期間で撤退に追い込まれた。今回、ヤマトHDとJALは飛行機の運航と荷物集めの役割を分ける。

 運航はJAL傘下のLCC(格安航空会社)であるスプリング・ジャパン(旧春秋航空日本)が担い、荷物はヤマトHDが集める。JALにとってはヤマトHDからの運航受託となるため、リスクを抑えながら貨物輸送の需要を取り込める。

 さらにヤマトHDはラストワンマイルの配送の領域でも次なる手を打つ。それが「置き配」の拡大だ。同社は20年から「置き配」にも対応したEC事業者向け配送商品「EAZY」を展開していたが、これを主力の「宅急便」にも広げる。

 同社の宅配便の年間取扱個数は約23億個。このうちEAZYが約5億個となり、社会的にも置き配の認知やニーズが広まっていると判断した。「宅急便」や「宅急便コンパクト」の受け取り方法に置き配を追加することで、再配達の削減や物流の効率化、温室効果ガス排出量の削減などを目指す。

 社長の長尾裕氏はかねてより「経営をする上で一番優先すべきことは、経営資源をいかに有効に使うか」と語っている。小型の荷物では長年ライバルだった日本郵便とも手を組んだ。

 業界全体の共通課題に対し、自社の強みを生かした物流網を構築できるか。ヤマトHDの手腕が問われている。

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