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企業倒産〝不穏な兆候〟の4社 9年ぶりの高水準「コンプラ違反」増加 専門家「悪質な粉飾決済に金融機関は疑心暗鬼」

zakzak by夕刊フジ / 2024年5月7日 11時35分

好業績企業も多い半面、経営不振企業も少なくない(写真と本文は関係ありません)(夕刊フジ)

企業倒産が徐々に深刻化している。2023年度の倒産件数は9年ぶりの高水準だった。無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済や物価高、人件費高騰などの要因に加え、不正発覚で経営破綻に追い込まれる「コンプライアンス(法令順守)違反倒産」も増えているという。信用情報の専門家は「不穏な兆候」を示す企業4社をピックアップした。

調査会社のデータでも「倒産ラッシュ」は鮮明だ。東京商工リサーチが公表した23年度の全国の企業倒産(負債額1000万円以上)は前年度比31・6%増の9053件だった。増加は2年連続で、9年ぶりに9000件台に乗せた。日銀のマイナス金利解除で金融機関の貸出金利の上昇が見込まれることもあり、夏場以降、増加傾向が強まる可能性があるという。

また、帝国データバンクによると、23年度の「コンプラ違反倒産」が前年度から50件増の351件となり、比較可能な03年度以降で初めて350件を超えた。過積載や産地偽装などを含む「業法違反」が84件で最多で、架空の売り上げ計上などの「粉飾」が81件だった。

過剰債務で資金繰りが悪化した企業が金融機関に返済猶予や追加支援を申し入れるが、粉飾決算が発覚して金融支援の道を断たれて行き詰まるケースがみられたという。

個別企業の不穏な兆候に注目するのが、信用情報に詳しい東京経済東京本部情報部の森田幸典副部長だ。

人気芸能人を起用した広告を展開する不動産関連のA社(社名のイニシャルとは無関係、以下同じ)は「コロナ禍で打撃を受け、支払い面で信用不安が広がっている」という。

出版系のB社は「近年赤字が拡大しており、不動産売却などでしのぐが、ノンバンク周辺で動向が注目されている」(森田氏)。

知名度が高いブランドを持つ美容系のC社は「同業者の乱立が逆風となり、ノンバンクに依存するが、給与支払いに懸念が生じている」(同)。教育関連で全国展開するD社も「不正会計疑惑が持たれ、資金繰りに変調をきたしている」(同)という。

怪しい破綻劇も相次いでいる。森田氏は「後継者不足や経営不振の企業を買収するコンサルティング会社も多いが、買収後の倒産が続出するケースも目立つ。新規事業をエサに架空取引に巻き込み、手形を詐取してきた地方大手企業が破綻し、全国で連鎖倒産が生じる例もあった」と語る。

昨年7月には、機械部品商社の堀正工業が粉飾決算の発覚で経営破綻した。取引金融機関は50行近くあったが、借入明細を提出先の金融機関ごとに細工し、借入総額や取引金融機関の数を実態より大幅に少なく見せていたという。

森田氏は「金融機関に『後世に語り継ぐ』と言わしめた大規模粉飾の倒産となった。その後も悪質な粉飾決算の発覚が相次ぎ、金融機関は疑心暗鬼になっている」と指摘した。

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