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平均年収「458万円」だが…「もっと少ない」「収入は実質減少」日本人の辛い現実

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月7日 16時15分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

「日本人の生活のリアル」について、総務省『家計調査(二人以上の世帯)2024年(令和6年)2月分』、国税庁『民間給与実態統計調査』(令和4年分)などをもとにみていきます。

世帯主の収入「36万9,383円」…豊かに生きられるか

少子高齢化が長らく問題視されている日本社会。出生数は右肩下がりに減少し、平成28年以降は100万人を下回って推移しています。厚労省の発表によると、2023年の出生数(速報値)は過去最少の75万8,631人。2022年を4万1,097人下回り、8年連続の減少となりました。

DINKs(Double Income No Kids…共働きで意図的に子どもを作らない夫婦のこと)という言葉も広く知られるようになった今、「夫婦2人で生きる」は当然の選択肢として存在しています。一方で、意図とは関係なく「お金がなくて子どもは考えられない…」と嘆く声も少なくありません。

総務省『家計調査(二人以上の世帯)2024年(令和6年)2月分』によると、勤労者世帯の実収入は1世帯あたり平均「56万1,495円」。前年同月比で名目0.7%増加しているものの、物価変動の影響を除いた実質では2.5%減少しています。

一方、消費支出の平均は「27万9,868円」。こちらは前年同月比で名目2.5%減少しているものの、物価変動の影響を除いた実質では0.7%増加しています。

勤労者世帯の収入について詳しく見ていきましょう。「56万1,495円」のうち、世帯主の収入が「36万9,383円」、配偶者の収入が「8万9,121円」となっています(そのほか定期収入や他の世帯員収入についての項もありますが、ここでは割愛します)。

消費支出の内訳を見てみると、食費が「8万2,072円」ともっとも大きなウエイトを占めており、交通・通信費が「4万442円」、光熱・水道が「2万7,860円」、教育娯楽が「2万6,955円」と続きます。仕送り金や交際費といった「その他の消費支出」は「3万9,876円」で、16ヵ月連続減少しています。

56万円の収入に、28万円の支出。この数字だけで言えば、月30万円程度は自由に使えるお金があるわけですが、現実はそう簡単な話ではありません。

『民間給与実態統計調査』(国税庁・令和4年)を見ると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均額は458万円(男性563万円、女性314万円)です。1人当たりの平均給与を年齢階層別にみると、男性では60歳未満までは年齢が高くなるにしたがい平均給与も高くなり、55~59歳の階層が最も高い給与を受け取る傾向にあります。

しかしこれはあくまで平均値。年収の分布を見ていくと、残酷な様相が明らかになります。

「300万円超400万円以下が最多」という現実

1年を通じて勤務した給与所得者5,270万人について、給与階級別分布をみると、最多となったのは「300万円超400万円以下」の方々(840万人/構成比16.5%)。次いで「400万円超500万円以下」(779万人/同15.3%)となっています。

男女別に見ていきましょう。男性では、年間給与額「400万円超500万円以下」が最も多く(518万人/同17.7%)、「300万円超400万円以下」と続きます(454万人/同15.5%)。女性では、「100万円超200万円以下」が最も多く(461万人/同21.5%)と最も多く、「200万円超300万円以下」と続きます(430万人/同20.0%)。

収入格差が深刻化する日本社会で、給与階級で最も多いのは「300万円超400万円以下」という現実。300万円となると、単純計算で月25万円の収入。先程の家計調査の世帯主収入が「37万7,401円」でしたから、平均値とはまた違った現実を窺い知ることができます。

生産年齢人口が減少の一途をたどり、社会保障費もじわりじわりと負担額が増加してきたなか、物価高が直撃し、増税も囁かれる昨今。日本で「普通に生活すること」すら、困難なのでしょうか。改めて「辛い現実」が眼前に表れています。

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