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寝室にスマホを持ち込んではいけない…自律神経の名医が実践するストレスと無縁でいられる6つの習慣

プレジデントオンライン / 2024年5月7日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/recep-bg

ストレスなく生活するには、どんなことに気をつければいいのか。順天堂大学医学部の小林弘幸教授は「悩みをためない習慣を身につけるといい。例えば私はワイシャツは白しか着ないようにしている」という――。

※本稿は、小林弘幸『自律神経の名医が教える すごい「悩み方」の技術』(草思社文庫)の一部を抜粋したものです。

■上手に悩むために必要な3つのスキル

私は「悩み方」というものは、トレーニングを重ねればどんどんうまくなっていくものだと考えています。言わば、筋トレと一緒です。筋力トレーニングはがんばればがんばっただけ着実に筋肉がついてきますよね。

悩み方もそれと同じで、普段から意識して「とことん悩み抜く」ようにしていると、着実にスキルが上達してうまく悩めるようになってくるものなのです。つまり、「悩み抜くためのトレーニング」「やり抜くためのトレーニング」を行なって「悩み抜く力」をつけていくといいわけですね。

トレーニングを行なう場合は、「悩みの大きさごとに優先順位をつける」「極力、時間をかけない」「悩み事の問題点を書き出す」という3つのスキルを軸にして、合理的かつ効率的に「悩み抜く作業」を積み重ねていけばいいのです。一歩一歩着実に悩み抜く力を蓄えながら、悩み上手になることを目指していくといいでしょう。

なお、悩み抜く力を身につけていくには、これまで紹介してきたもの以外にも「覚えておくとけっこう役立つハウツー」がいくつかあります。いずれも「ちょっとした考え方のコツ」のようなものなのですが、決して軽んじてはいけません。悩み方を究めている一流の人たちは、むしろこういった「小さな心の習慣」こそを大切にしているものなのです。

この章では、こうした「悩み抜く力をつけるために役立つ小さな心の習慣」をセレクトして紹介していくことにします。みなさん、ぜひこれらのハウツーを習慣にして、悩み抜く力をレベルアップしてください。

■一流のアスリートは悪口を言わない

悪いことは口に出さない

一流のアスリートは、決して他の選手の悪口を言いません。たとえ、自分が大の苦手としている相手でも、相手をけなすことはせず、相手のプレーをほめたたえます。

なぜなら、誰かの悪口を口にすると、結果的に自分に跳ね返ってきて、自分のパフォーマンスに悪影響を及ぼすことを心得ているから。また、相手をほめたたえる言葉を口にすると、それも自分に跳ね返ってきて、自分のパフォーマンスに好ましい影響をもたらすことも知っています。

これは「ミラーイメージの法則」と呼ばれる心理学メソッド。自分の口から出た言葉は、鏡のようにいつか自分に返ってくる。他人へのマイナスの言葉は自分をおとしめることにつながり、他人へのプラスの言葉は自分を高めることにつながるというわけです。

これは、アスリートだけでなく、一般のわたしたちも、仕事や生活の中で心して実践していくべき「法則」ではないでしょうか。

他人の言動を批判したり、他人の評価を落とすようなことを言ったり、マイナスの否定的な言葉はできるだけ口から外に出すのを慎んでいきたいものです。

■集中できないときは身体を動かす

迷ったときは、階段を上り下りしてみる

心が乱れそうになったときは、体からアプローチして自律神経コンディションを整えるのもひとつの手です。もっとも手っ取り早いのが「歩くこと」。

リズミカルに歩くと、血流がよくなり、副交感神経が高まって、自律神経バランスを整える作用が期待できます。とくに私がおすすめしたいのは「階段の上り下り」です。たとえば、オフィスでの仕事中、嫌なことがあって集中できないときやミスをして落ち込んでいるようなとき、5分くらい自分の席を離れて階段を上り下りするのです。

階段を上がるビジネスマン
写真=iStock.com/ljubaphoto
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ljubaphoto

そうすれば、体を動かすうちにザワついた心が静まってきて、平静な自分を取り戻すことができるでしょう。

また、この階段の上り下りは、悩み抜く作業の中、考えに行き詰まったときや迷いにハマッてしまったときに行なうのも効果的です。しばし体を動かしてみると、「そうか、こうすればよかったんだ」という解決策も浮かびやすくなるもの。ぜひみなさん、トライしてみてください。

■「ため息をつくと幸せが逃げる」はウソ

ため息はついたほうがいい

ため息をつくときは、ゆっくりと長く息を吐きますよね。じつは、これはとても心身にいいこと。深く呼吸することによってリラックスモードの副交感神経が刺激され、滞っていた血流が回復して脳や体に酸素がたっぷり供給されるのです。

悩みについて考えているときも、ため息をつけば脳に多くの酸素が送られて、新鮮な考えが浮かぶきっかけになるかもしれません。つまり、ため息は心身をリフレッシュさせる行動なのです。

「ため息をつくと幸せが逃げる」なんていうのは非科学的な迷信です。疲れたときや悩んだときには、ぜひ「ふう〜っ」と大きくため息をついて、心と体をリフレッシュさせるようにしてください。

■なぜ私は白いシャツしか着ないのか

ワイシャツは白1色にする

「どうでもいいことで悩まない」「どちらでもいいことで迷わない」――。

普段から意識してそういう態勢を整えておくことは、コンディションづくりにはけっこう重要なことです。悩んだり考えたりする必要性を感じないことに対しては、あらかじめ「これにする」と決めてしまうのもひとつの手。

たとえば、「この店でのランチはチキンカツ定食に決めておく」とか「目薬を買うならいつもこの商品にする」とか「肉の焼き具合を聞かれたらミディアムレアにする」とか、常にそれを選ぶように決めてしまうわけです。

私の場合、「ワイシャツは白しか着ない」と決めています。私にとってワイシャツの色は、わりとどうでもいいこと。だったら、「いつも白」と決めてしまえばいい。このように、悩む必要性を感じないことは、徹底的にルール化して省エネ化してしまうのです。

そうすると、「本当に悩むべき問題」に対して、本腰を入れてエネルギーの全力を注いでいくことができるようになるわけですね。

■SNSは「自律神経を乱すツール」

SNSは、のめり込まないためのルールをつくっておく

他人は他人、自分は自分。他人はしょせん自分の思い通りにはなりません。だから、心身を乱さないためには、自分の中にブレない軸を持ち、他人に振り回されないようにしていくことが大切です。

しかし、近年は多くの人がSNSを日常的に使うようになり、SNS上の情報に振り回される人が増えてきています。

SNSは自己顕示欲や承認欲求を満たせる反面、他人がアップした情報を見て他人と自分を比較してしまい、劣等感や焦燥感を抱いてしまうことが少なくありません。

また、ちょっとした書き込みが原因で他人と論争になったり、いわれのない理由で他人から誹謗中傷されたりすることも多い。そのせいでメンタルを病んでしまう人もかなり増えていると聞きます。

このようにSNS上の他人の言動に振り回されるのは、自律神経バランスを乱す大きな原因になります。医学的に見れば、SNSは「自律神経を乱すツール」と言っても過言ではないのです。

■大事なのはルールを作ること

もっとも、私はSNSの利用自体を否定するつもりはありません。実際、私もインスタグラムをやっていて、街角で出会った風景や心に残った風景をスマホで撮影し、その写真を投稿しています。私の場合、これに時間を費やすことで、生活に充実感や潤いを感じられるようになったと思っています。だから、よい面もあるのです。

SNSを利用する人は、「自分にとってプラスになる面」と「自分にとってマイナスになる面」を十分理解したうえで、よい面だけを切り取って上手に使っていく姿勢が必要なのではないでしょうか。

また、依存性が高いので、「ここまではいいけど、この状態になったらそれ以上踏み込まない」といったように、自分なりに「のめり込みすぎないためのルール」を設けたうえで利用していくのもいいと思います。ぜひみなさんも、SNS上の他人の言動に振り回されることのないように、「自分のルール」をつくったうえで注意深く活用していくようにしてください。

■寝室にスマホを持ち込んではいけない

寝る前2時間はスマホを見ない

夜、だらだらとスマホを使っていると、脳がひっきりなしに雑多な情報の処理に追われ、交感神経が興奮してしまうようになります。嫌な情報や見たいとも思わない情報が目に入ってきて、いたずらに感情を昂らせてしまうことも少なくありません。

それに、スマホやパソコンのディスプレイから放たれる光はかなり強く、夜間にこうした光を浴びていると、睡眠物質のメラトニン分泌が抑えられ、睡眠にも影響が及ぶようになります。ですから、みなさんもせめて就寝前の2時間はスマホやパソコンを用いないようにしてはどうでしょうか。

小林弘幸『自律神経の名医が教える すごい「悩み方」の技術』(草思社文庫)
小林弘幸『自律神経の名医が教える すごい「悩み方」の技術』(草思社文庫)

もちろん、ベッドにスマホを持ち込むのもNG。それだけでも自律神経バランスや睡眠への悪影響をだいぶ防ぐことができるはずです。

私の場合、日中は仕事上必要なのでスマホをかなり頻繁に使っていますが、家に帰ってからは一切スマホを見ないようにしています。緊急の連絡用に電話だけは鳴るようにしていますが、それ以外の「スマホ系の用事」は明日に持ち越すことに決めているのです。

こういうふうに「自分なりのルール」を決めてしまうと、スマホがなくとも不便は感じません。それに、スマホの情報を遮断すると、夜を「自分のために使う時間」としてゆったり過ごすことができるし、リラックスモードの副交感神経が高まってぐっすりと熟睡することもできます。ぜひみなさんもトライしてみてください。

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小林 弘幸(こばやし・ひろゆき)
順天堂大学医学部教授
1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部卒業後、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学医学部小児外科講師・助教授などを歴任。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートやアーティスト、文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導にも携わる。順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した“腸のスペシャリスト”としても有名。近著に『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム)、『名医が実践! 心と体の免疫力を高める最強習慣』『腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず 免疫力が10割』(ともにプレジデント社)『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』(日本文芸社)。新型コロナウイルス感染症への適切な対応をサポートするために、感染・重症化リスクを判定する検査をエムスリー社と開発。

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(順天堂大学医学部教授 小林 弘幸)

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