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新卒で初任給が「22万円」です。ニュースではもっと高い企業も多いようですが、22万円は少ないですか?「手取り」だとさらに少なくなります…

ファイナンシャルフィールド / 2024年5月9日 2時20分

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最近はニュースなどで「企業が初任給を上げた」という話題を耳にする機会も多くなりました。新卒としては驚くような給与が用意されていることを知ると、「自分の初任給は少なすぎるのではないか」と不安になる人もいるかもしれません。   本記事では、初任給の平均などについて解説します。自分の初任給が平均と比較して多いのか少ないか、気になる人は参考にしてください。

新卒の学歴別に見た初任給額について

新卒の初任給が高くなっている主な理由の一つに「人材確保」が挙げられます。売り手市場の現在では、少しでも給料を高く設定することで、他社よりも優位に採用を進めたいという企業側の思惑があるのでしょう。企業によっては、初任給が数万円も増えているというケースもあります。
 
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、学歴別にみた新卒男女別の初任給は図表1のとおりです。
 
図表1

学歴 男性 女性 男女計
高校 18万9000円 18万3200円 18万6800円
専門学校 21万800円 21万7000円 21万4500円
高専・短大 22万2800円 21万1700円 21万4600円
大学 24万300円 23万4300円 23万7300円
大学院 28万3200円 26万800円 27万6000円

厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 新規学卒者を基に作成
 
本事例のように新卒初任給が総支給で22万円の場合は「高校」「専門学校」「高専・短大」なら平均を上回っていますが、「大学」「大学院」なら下回る結果となりました。しかし、高校卒および大学院卒以外の学歴であれば、初任給22万円と大きく乖離はしておらず、「自分の初任給は少なすぎるのではないか」と不安になる必要はありません。
 
近年、初任給を高くしたことから、新卒者と既存社員の給料逆転が起きている企業もあります。初任給22万円でも、勤続2~3年の先輩社員よりも多い給与をもらっているかもしれませんよ。
 

初任給の内訳に注意する

総額で多いか少ないかが語られがちな給料ですが、大切なのはその内訳です。「初任給」は基本給だけを指しているわけではなく、すべての手当などを含む金額です。そのため、表面的には給料が大きく増えているように感じても、その詳細を紐解くと、固定残業代などで水増しされている可能性もあるのです。
 
固定残業代とは、残業の有無を問わず一定の残業代を給料に組み込んで支払う手当です。例えば、基本給が20万円と「固定残業代30時間・5万円」を合わせて初任給25万円と記載されているケースで考えてみましょう。実際の残業時間が30時間に届いていなくても、残業代5万円分を含む初任給25万円は全額支給されます。逆に30時間きっかり残業をしても、毎月25万円は変わりません。
 
一方、残業代は別途支給される基本給23万円の企業があったとします。前述の初任給25万円の企業と比べて給与は安く感じますが、仮に「30時間・5万円」残業代がもらえるのであれば30時間残業すれば28万円の収入になります。固定残業代ではないため、残業時間によって毎月の給与は変動するものの、一概に「初任給25万円のほうが給与は高い」とはいえないのです。
 
なお、固定残業代を採用している企業でも、毎月の残業時間が30時間を超えた際には超過分の残業代は支払われるので安心してください。
 
また賞与は「基本給○ヶ月分」など基本給をベースに決定される企業が多いため、基本給が低く抑えられていると賞与の計算時に不利に働く可能性があります。前述のケースでは、基本給20万円(+固定残業代5万円)と23万円のため、仮に賞与が基本給×2ヶ月支給される場合、40万円と46万円と差が出てきます。
 

まとめ

新卒初任給が22万円であれば、一部学歴を除き、平均と大きく離れてはいません。近年では優秀な人材を確保するために初任給を高くするケースも増えていますが、その総額だけで判断するのは賢明とはいえません。固定残業代などの各種手当が含まれる場合、給与総額の内訳についてしっかりと確認することが大切です。
 

出典

厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 新規学卒者
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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