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クリエイティブチーム Do it Theater（ドゥイット・シアター）がテーマごとにおすすめの映画を3作品紹介する、連載《土曜日のシネマサロン》。
第118回目のテーマは、「旅行に行きたくなる！レジャー映画」です。
Do it Theaterの郡司恵（ぐんじ めぐみ）です。この連載はDo it Theater女子部が様々な切り口のテーマで、おすすめ映画をリレー方式でご紹介しています。
桜吹雪を見たのも束の間、あっという間に葉桜に変わり、新緑の季節がやってきました。GWにどこに出かけるか、絶賛計画中の方も多いのではないでしょうか。今回は『セブン・イヤーズ・イン・チベット』『マイレージ・マイライフ』『ダージリン急行』と、レジャーの季節にぴったりの旅をしたくなる映画3選をご紹介します。
若きダライ・ラマとの魂の交流を描いた一大叙事詩
© 1997 Mandalay Entertainment. All Rights Reserved.
title：『セブン・イヤーズ・イン・チベット』
【story】
1939年、登山家ハインリヒ・ハラーはヒマラヤ山脈の最高峰を目指すが、第二次世界大戦の勃発によりイギリス軍の捕虜になってしまう。後に収容所を脱走してチベットに辿り着いた彼は、14歳のダライ・ラマと出会い、親交を深めていく。だが、中国軍がチベット侵略を開始し…
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主人公のハインリヒ・ハラーは実在の人物で、スイスを代表する山、アイガーに登頂したことで知られるオーストリアの世界的登山家です。ハラーの実体験を元にしたストーリーなのですが、後のチベット仏教最高指導者となるダライ・ラマ14世との交流を通して、心が清められていく様子が描かれています。
そんなハラーを演じたのは、ブラッド・ピット。当時30代前半の爽やかで落ち着きのある、大人の余裕がある演技に惚れ惚れしてしまいます。
本作は、アルゼンチンにチベットのラサを再現して撮影したそうですが、美しい大自然と歴史的な建造物をみていると、旅行に行きたい気持ちにさせられます。特に、ラストシーンの山頂からの壮大すぎる絶景に、心がうずうずしてしまいました。個人的には山登りの醍醐味を味わったことがなく、苦しいイメージしかなかったのですが、映画に出てくるような素敵な景色を見ることができたら山登りもいいかもと思いました。普段はなかなかチャレンジできないですが、まとまったお休みに、リフレッシュに山登りしてみたい！ と思わせてくれる映画です。
人生で背負いたいもの
Illustration_skpn
title：『マイレージ・マイライフ』
【story】
独身サラリーマンのライアン・ビンガムは、一年のほとんどが出張で、アメリカ中を飛び回る生活をしている。彼の仕事は企業の人事担当者に代わってリストラ対象者にクビを言い渡す、プロの“リストラ告人”。1000万マイルを貯めるのが夢で、その目標に繋がらないものは人間関係も含めて、全ていらないというほどまでにミニマリスト思想を持つ彼だが、2人の女性と出会ったことで、人生の考え方が変わっていく…
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この作品の旅に出たくなるポイントは、アメリカ各地の上空からの景色。エアリアルショットが多く、冒頭のタイトルロールのシーンは次々に切り替わっていくトランジションのスタイリッシュさと、上空からの映像の美しさに一気に引き込まれ、見入ってしまいます。かくいう私も大の旅行好きで、飛行機の着陸前に窓を覗くのが好きなのですが、冒頭のシーンでは飛行機に乗ったときのワクワク感も一緒に思い出すので、旅に出たい気持ちになること間違いなしです。
原題の『Up in the Air』は「宙に浮いている、不確定の」といった意味があります。彼の仕事は人を先の見えない不安に突き落とす仕事であり、同時に彼の人生もまた不確定なのがセンスのあるタイトルだと思いました。先の見えない人生は不安だけれど、わからないからこそ面白いし、自由に考えられるのは幸せなことなのかもしれません。もちろん『Up in the Air』のタイトルには、「飛行機で空を飛び回る」という意味も含まれています。
今まで聞いたことのないアメリカの州の名前がたくさん出てきたので、まだこんなに知らない世界があるのか・・とも思いました。グーグルアースでバーチャル旅行をしてみるのも面白そうです！
title：『ダージリン急行』
Illustration_skpn
title：『ダージリン急行』
【story】
約1年もの間、絶交状態になっていたホイットマン3兄弟。父の死をきっかけに、長男フランシスの提案でインド北西部を走る列車「ダージリン急行」に集まった。旅の目的は、インドの秘境を旅することで絆を取り戻すことだった。しかし、様々な事件が勃発し…。
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でこぼこダメダメ兄弟たちがインドを旅するロードムービー。道中、いろんな出来事を通して兄弟が打ち解けていく様は、見ていてとても心地良い気分になります。私も離れて暮らしている兄弟がいるので、たまに会った時に少しだけギクシャクした空気になる感じが共感の嵐。兄のことは好きだし大切だけれど、小っ恥ずかしくて言葉では伝えられないことってあるよな・・と思いながら見ていました。
シュールでクスッとしてしまうシーンが盛りだくさんのコメディ映画で、テンポ感のある映画なので、あっという間に終わってしまう印象です。
それから・・『グランド・ブダペスト・ホテル』で知っている人も多いかとは思いますが、ウェス・アンダーソン監督のポップな世界観が可愛い！ 鮮やかな映像かつ独特なカメラワークがビシビシ決まっていて、淡々と物語が進んでいく心地よさが癖になります。
この映画はインドの列車で行く旅が描かれていますが、電車での旅も乙なものです。どんどん変わっていく車窓から見える景色。個人的には大学1年生の時に行った青春18切符の旅を思い出しました。ドライブでのお出かけもいいですが、たまにはのんびりと電車旅をしてみるのも良いかもしれません。
今回は、「旅行に行きたくなる！レジャー映画」をテーマに3作品をご紹介しました。旅は自分の心を豊かにしてくれるものです。新しいものに触れたり、知らなかった景色に出会ったりと、非日常との出会いは、好奇心を刺激してくれるのでGWはぜひ遠出してみてください。もちろん、家でゆっくりと映画を観たり、映画館に出かけたりするのも良さそうです。今回紹介した映画を観て、旅行への気分を高めてくださいね。
『セブン・イヤーズ・イン・チベット』
出演：ブラッド・ピット、デビッド・シューリス、B・D・ウォン
発売・販売元：ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
デジタル配信中
『マイレージ・マイライフ』
2009年 アメリカ 109分
Prime Videoで配信中
『ダージリン急行』
2007年 アメリカ 91分
Disney+で配信中
郡司 恵（ぐんじ めぐみ）
学生時代にミニシアターでアルバイトをしていました。新卒でマネージャーとして映画館に勤めたのち、
現在はDo it Theaterでシアタープロデュースに携わっています。『あん』『人生フルーツ』『パターソン』など、日常にある幸せを思い出させてくれる作品が好き。
久々に一眼カメラを持って出かけました。現在、カメラ熱が再燃中。
●Do it Theater（ドゥイット・シアター）
“あたらしいシーンは、Theaterからはじまる”をテーマに、シアター体験を作り出すプロデュース＆クリエティブチーム。FUDGE主宰の「Holiday Circus（ホリデーサーカス）」ではコンテンツクリエイションとして参加。また 累計5万人以上が来場した野外シアター「品川オープンシアター」や横浜赤レンガ倉庫・マリンアンドウォークヨコハマなど５会場同時開催の「SEASIDE CINEMA」、ミニシアター支援を目的とし全国5箇所でキャラバン開催したクラウドファンディングプロジェクト「ドライブインシアター2020」など、映画を観るだけではない、総合演出された新しいスタイルのシアター体験を全国に作り出しているチームです。
www.ditjapan.com
design_Koinuma Kenichi
edit_Takehara Shizuka
