トラウトはなぜ故障頻発? 苛酷な“環境”…630HRのレジェンドが同情「疲弊する」
Full-Count / 2024年5月9日 14時56分
■ケン・グリフィーJr.氏が同情…センターは「とても特別なポジション」
リーグMVPに3度輝いているエンゼルスのマイク・トラウト外野手は4月30日(日本時間5月1日)、左膝の半月板損傷のため負傷者リスト(IL)入りした。近年は毎年のように怪我に泣かされ、満足なパフォーマンスを発揮できずにいる。メジャー歴代7位の通算630本塁打を誇るケン・グリフィーJr.氏はセンターの苛酷さを語り、「その辛さが分かる」と同情した。米全国紙「USAトゥデイ」が伝えている。
トラウトは今季、離脱するまでに29試合で10本塁打をマークしたが、再び故障禍に見舞われた。復帰は早くて8月上旬。「それ以上になるかもしれない。4年連続で出場試合数より欠場試合が多くなる」と記事は伝えた。2014、2016、2019年にMVPを受賞したスーパースターも近年は欠場続き。昨年までの3年間で249試合を欠場している。今年も少なくとも100試合以上の欠場が濃厚だ。通算2415安打、536本塁打をマークして1956年に3冠王に輝いたミッキー・マントルと比較されたことがあるが「その見事なパワー、スピード、運動能力は2度と取り戻せないかもしれない」と伝える。
グリフィーJr.氏も現役時代はレジェンドと比較されていた。「比較されるのは大嫌いだ。21歳の時に私はウィリー・メイズと比較された。とても嫌だった。マイクはマントルや偉大な選手と比較されていた。比較されるのは重荷だ」「プレーしてキャリアを築いた後に比較すればいい。あまりに若い時に比較するのは不公平だ」などと述べる。さらに自身の経験から、センターは肉体的に苛酷なポジションだと強調する。
「センターを守ることで体が疲弊する。センターの方向に飛んでくる打球はすべてフェアだ。ファウルゾーンがない。常に動き、走り、バックアップしている。2週間センターでスタメンに入るのと、10年間やるのとでは違う。とても特別なポジションだ」
現在32歳のトラウトは、契約が2030年まで2億4815万ドル(約382億7200万円)残っている。一方で、2021年からの4年間で出場したのは266試合だ。プレーオフに出場したのは2014年だけで、エンゼルスは地区シリーズでロイヤルズに3連敗を喫した。「トラウトはポストシーズンで1勝もできなかったチームに所属した近代野球史上最も偉大な選手で終わってしまうかもしれない」と伝えている。
■グリフィーJr.氏も故障禍で成績急落…リハビリは「惨めなものだ」
グリフィーJr.氏はトラウトの胸中を慮る。「彼がまたリハビリをしたいと思うか? リハビリはプレーよりも辛い。悪夢だ。朝8時に球場に行ってチームメートが来るまでリハビリをする。試合が始まって、彼らがグラウンドにいる間、自分はまたイチからリハビリだ。これが毎日続く」「私にはその辛さが分かる。トミー・ジョン手術以外はすべて経験したからだ。手首、腕、肩、脚のリハビリがどんなものか分かる。とても惨めなものだ」。自身の経験を交えて語っている。
1969年11月生まれのグリフィーJr.氏は、2000年シーズン終了時点では438本塁打。歴代最多記録更新も期待された。しかし、2001年以降は膝、足首、太もも裏、肩など怪我が相次ぎ、年間40本塁打は1度もなし。結局歴代7位の通算630本塁打に終わった。負傷者リストには12度入った。
「センターでプレーする時は体を犠牲にしている。トレーニングスタッフに『そろそろ気楽にプレーしてほしい』と言われたことを覚えている。私はこう返した。『それは私じゃない。ずっとこのようにプレーしてきた。中途半端なプレーはしない』」「マイクも同じだ。彼は懸命に正しいプレーをしているから怪我をする」「彼がしてきたことを誇りに思う。いい選手でいい友人、ただただいい人間だ。怪我があっても彼という人間は変わらない」
センターでプレーし続けることの苛酷さをこう語った。戦列復帰した時、トラウトはどのポジションを守るだろうか。(Full-Count編集部)
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