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腰に触れて「崩し」を利用すれば体格差があっても起こせる【力いらずの介助術】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年5月9日 9時26分

【誰でもできる力いらずの介助術】

 介護者を悩ませる腰痛の原因は、力まかせの“パワー介護”だ。椅子から立ち上がらせようと、相手を抱きかかえて持ち上げている人は少なくない。埼玉医科大学客員教授の根津良幸氏はこう言う。

「私たちは日常生活の中で、相手の体勢を不安定にさせて技をかける少林寺拳法の『崩し』を自然に行っています。たとえば自力で椅子から立ち上がる際、無意識に体を前傾させるのも崩しです。この動作を介助で再現すれば『大きな風船をふわっと投げる』程度のわずかな力で相手を立ち上がらせることができます」

 介護度が低く、少しのサポートで椅子から立ち上がれる人に適した介助法を紹介する。

①相手の正面に立ち、相手には両足を肩幅程度に開いてもらい、介助者は足の間に片足を1歩踏み出す②相手の手のひらを上向きにした状態で下側から両手で肘に触れ、相手には手のひらを下向きに回してもらって介助者の前腕に手を乗せる(写真1)

力を抜くのがカギ

③相手の両肘を本人の脇腹へ軽く押し当て、介助者は肘から手を離して両腕を相手の肘の上に当て直し、中指と薬指だけで相手の背中に軽く触れる(写真2)④そのまま介助者は後方に1歩足を引き、体を起き上がらせる。

「いきなり立とうとすると、相手は驚いてしまいます。一言、『立ちますよ』と声をかけてから立たせてください」

 とりわけ在宅介護で多い悩みが、体格差のある相手への身体介助だ。根津式では体格差のほかに、介護度が高い人であっても腰付近を触れば立ち上がらせることができるという。

①介助者は相手の正面に立ち、相手には両足を肩幅程度に開いてもらう②介助者は足の間に片足を1歩踏み出し、相手の両腕を自分の肩に回す③両手を相手の腰に回して中指と薬指で軽く触れたら、真後ろに1歩足を引く。

「起き上がらせようと、つい腕や腰を強く掴む人が少なくありません。そうすると相手の体は反射的にこわばるので、余計、介助に力が必要になります。相手に力が入っているようであれば、『力を抜きましょう』と優しく声をかけリラックスさせることがお互いに負担の少ない介助を可能にさせるのです」 (つづく)

(根津良幸/埼玉医科大学客員教授)

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