今日の京都、なんか風が強くない？ 平年の3倍以上の強風、天気図では分からない理由

強い風に揺れる洗濯物。晴れているので良く乾く（2024年5月9日、京都市北区）

　9日の京都府と滋賀県は、良く晴れているが、8日からずっと強い風が吹いている。最大風速は、この時期としては平年の3倍以上の強さになっている。なぜ、良く晴れているのに風が強まるのか。その理由は、天気図には現れないところにあった。

　気象庁によると、9日午後2時までの最大瞬間風速（3秒間の平均値）は京都市13.3メートル、舞鶴市14.5メートル、彦根市16.1メートルで、傘を差しにくい程度の風だ。

　また、最大風速（10分間の平均値）は、京都市6.7メートル、舞鶴市9.3メートル、彦根市10.3メートルで、5月の平年値の3～4倍程度となっている。3市とも、8日も同じくらいの風が吹いていた。

　なぜ、晴れているのに風が強まるのか。天気図では、日本の西に高気圧、東に低気圧があるが、「台風」や「冬型の気圧配置」に比べて、等圧線の間隔は広く、風が強まるようには見えない。

　京都地方気象台によると、地上ではなく、上空に寒気を伴った気圧の谷が発生しており、その周辺で北～西の風が強まっている。その風に引きずられるように、地上付近でも北寄りの風が強まっているという。

　上空に寒気があるのなら、ひょうやダウンバーストなどの荒れた天気の心配はないのか。気象台によると、地上付近も北から冷たい空気が入っているため、上空と地上で対流が起こりにくく、大気の状態が「安定」しているため、天気の崩れはないとみられる。また、災害を引き起こすような暴風、突風になることもないという。　

　あす10日は、日本の西にある高気圧が東進するため、上空の気圧の谷も東進し、強い風のエリアは関東方面に移る。京都府や滋賀県は、風も弱まり、良く晴れて気温が上がる見通しという。