小児の再生不良性貧血に対する治療薬として「レボレード錠」承認
QLife / 2024年1月5日 18時13分
成人患者さん対象で既承認、小児での承認が期待されていた
ノバルティスファーマ株式会社は2023年12月22日、指定難病の1つである再生不良性貧血の小児患者さん(6歳以上)に対する治療薬として「レボレード錠12.5mg、同25mg」(一般名:エルトロンボパグ オラミン、以下「レボレード」)が承認されたことを発表しました。
再生不良性貧血(AA)は、白血球や赤血球、血小板が骨髄であまりつくられず、体を巡っている血液中の白血球、赤血球、血小板数のすべてが減少する(汎血球減少)症状と、骨髄の低形成を特徴とする骨髄不全症候群の1つです。小児でのAAは極めてまれとされており、国内の年間発症数は70~100人と推定されています。
AAの小児患者さんに対する治療は、移植適応の場合には骨髄移植が第一選択となり、移植非適応の場合には免疫抑制療法が選択されます。抗胸腺細胞免疫グロブリン(ATG)で未治療の場合、成人に対しては「レボレード」と免疫抑制療法の併用が選択肢の一つとなっていますが、小児に対する適応はこれまで承認されていなかったため、成人と同様に使用可能となることが期待されていました。
「レボレード」は、トロンボポエチンと呼ばれる重要な造血因子からのシグナル伝達経路の一部を活性化することにより、血球の増加を促進します。
日本人小児患者5例での奏効率80.0%、新たな安全性上の懸念は確認されず今回の追加承認は、免疫抑制療法で未治療の6歳以上の東アジア人重症AA患者さんを対象とした国際共同第2相試験(G2201試験/REACTS試験、日本人小児患者5例を含む計36例)のデータに基づいています。G2201試験において、投与26週時の完全奏効率は16.7%(6/36例)、奏効率77.8%(28/36例)で、日本人小児患者5例での完全奏効率は20.0%(1/5例)、奏効率80.0%(4/5例)でした。
副作用発現頻度は83.3%(30/36例)で、主な副作用は、ALT増加、高ビリルビン血症が各30.6%(11/36例)、γ-GTP増加が19.4%(7/36例)でした。日本人小児患者5例での副作用発現頻度は80.0%(4/5例)で、主な副作用はALT増加が40.0%(2/5例)でした。ATGで未治療の日本人小児AA患者における安全性は成人と同様であり、新たな安全性上の懸念はありませんでした。
用法・用量は「6歳以上12歳未満の小児、37.5mgを1日1回服用」今回承認された用法・用量は、「抗胸腺細胞免疫グロブリンとの併用において、通常、6歳以上12歳未満の小児には、エルトロンボパグとして37.5mgを1日1回、食事の前後2時間を避けて空腹時に経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜減量する」です。
同社の代表取締役社長であるレオ・リー氏は、「今まで小児における、移植非適応の再生不良性貧血に対する治療選択肢は限られていたため、この度の『レボレード』の用法及び用量追加の承認により、小児の患者さんやご家族に新たな治療選択肢を提供できることを嬉しく思います」と、述べています。(QLife編集部)
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