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実質賃金、賃上げと減税で夏にプラス転換か 円安で再びマイナス転落リスクも

産経ニュース / 2024年5月9日 13時45分

通勤時間帯で混雑する品川駅前=東京都港区(鴨川一也撮影)

厚生労働省が9日公表した3月の毎月勤労統計調査で、物価変動を考慮した実質賃金は24カ月連続でマイナスとなり、過去最長を更新した。岸田文雄首相は「今年、物価上昇を上回る所得を必ず実現する」と話す。賃上げや定額減税の効果で、実質賃金は夏ごろにプラス圏に浮上しそうだが、仮に1ドル=170円まで円安が進むと、秋には再びマイナス圏に沈む恐れがある。

賃上げと減税効果に期待

3月の実質賃金は前年同月比2・5%減と、2カ月連続で減少幅が拡大した。現金給与総額は増え続けているものの、それ以上に物価上昇の勢いが強い。

実質賃金のマイナスは、労働者の生活の苦しさを表す。岸田政権は物価上昇を上回る所得の実現を最重要課題の一つに掲げ、大幅な賃上げの実現を後押しすると同時に、6月から1人当たり4万円の所得税と住民税の減税を行い、可処分所得の増加を図っている。

こうした政策の後押しも踏まえ、多くの民間シンクタンクでは夏から秋にかけて実質賃金がプラスに転じると予測する。ただ、歴史的な円安が明るい兆しに水を差しかねない状況だ。

170円で再びマイナス転落か

円相場は9日正午現在は1ドル=155円台半ばで推移。足元の為替動向が国内物価に波及してくるのは半年後とされる。秋には再び食料品や日用品の値上げラッシュが起きる可能性がある。

明治安田総合研究所の吉川裕也エコノミストは「1ドル=160円の環境下では実質賃金のプラスが安定的に実現しそうだが、170円のケースでは10~12月期に再びマイナスに陥る可能性がある」と分析する。

政府・日本銀行は1ドル=160円台をつけた4月29日に続き、5月2日にも円買いドル売りの為替介入に踏み切ったとみられる。吉川氏は「160円手前で止めたいという当局の意図が感じられる。この介入は実体経済面からみても大事な一線だった」と話している。(米沢文)

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