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リッチモンド、顧客満足度1位に「なっちゃう」神髄 目指さずとも…要因は"委ねる"から生まれる主体性

東洋経済オンライン / 2024年4月23日 10時30分

「さまざまな企画提案をして、それを実現できる環境にやりがいを感じました。1ホテルだけでなく横のつながりも多分にあり、全国からスタッフが一堂に会す機会も年に数回あります。賞与の時期にはグループホテルの無料宿泊券が出たり、各地でお互いにヘルプも盛ん。グループの一体感があるのも魅力でした」と、宗像氏は振り返る。

これにうなずきながら渡邉氏も、「たしかに。宗像さんとも同志みたいな関係です。アルバイト時代は違うホテルに勤めていましたが、ある企画で協働し、そこからは気軽に声をかけあう間柄になったんです。そんな方がたくさんいます」と語る。

渡邉氏がリッチモンドでアルバイトを始めた理由は、留学から帰り、「ホテルなら外国人が来て英語が話せるのでは」と思ったからだそうだ。結果、外国人客はほとんど来なかったそうだが、アルバイトの枠を越えて多くの権限を任され、日々ゲストと向き合う中で、接客業の虜になった。

「ビジネスマナーを学ぶ機会も多かったですし、それを他ホテルのスタッフとつながって共有し、仕事に活かせる環境が魅力に感じました」と笑顔で思いを馳せた。

ボトムアップで現場の声を

では、アルバイトが主体となって提供するリッチモンドのサービス姿勢とは、どういったものなのだろうか。尋ねると、宗像氏はちょっと困ったようにこう答えた。

「基本のサービス指針は企業理念にある『ひとと自然にやさしい、常にお客さまのために進化するホテル』を目指しており、ベーシックマニュアルも存在します。ですが、それ以外は変幻自在といいますか、現場スタッフが考えて行動できるようにしています。

たとえば弊社では、顧客ターゲットを全国43ホテルで4分類しており、レジャー、ビジネス、その間が2分類あります。それぞれに、そして立地やゲストによっても求められるサービスは異なるため、必要とされるサービスを各ホテルで考えているのです。

一番お客様の近くにいる現場スタッフが、目の前のゲストに行いたいサービスをどう表現していくかを重視しているということです」

トップダウンではなく、ボトムアップ。現場の声を拾うサービス。だからこそ、日々刻々と変わるゲストのニーズに応えることができるのだ。

そして、これを象徴するのが、「CS向上委員会」の存在だ。「CS向上委員会」とは、社員、アルバイト、社歴にかかわらず、サービス向上に想いを持ったメンバーが各ホテルを代表して集う会議のこと。年に1、2回集まって、日々の接客から生まれる疑問や課題を共有、「自分たちはどんなサービスがしたいのか」について2日間ディスカッションを行う。

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