1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

日本中で大号令「貯蓄から投資へ」に感じる違和感 預貯金は時代遅れ? 金利が動く今考えたい本質

東洋経済オンライン / 2024年4月24日 9時20分

それに、いつでも引き出せる普通預金は、どうせどんどん減っていくのだから金利が高かろうが低かろうが関係ないのだ。年0.001%でも0.02%でも、給料日前にはほとんど残高が残っていない人なら意味がないからだ。だから、「普通預金でも高金利!」という文言に惹かれて、あちこち口座を開くのは管理が大変になるだけだ。「普通預金の金利を引き上げます」といわれても聞き流していい。

頻繁に起きる元本割れの恐怖

それよりも気を付けたほうがいいのは、事実上の元本割れを防ぐこと。安全性が高いはずの預金なのに、気を付けないと簡単に元本割れを起こしてしまう。言わずもがなの「引き出し手数料」だ。

よく出てくる数字として100万円を1年間預けて金利が0.02%なら、受け取れる利息は税金を引かれて160円ほど。しかし、普通預金に1年間不動で100万円入れっぱなしという人でない限り、もっと少なくなる。

ちなみにセブン‐イレブンのコンビニATMで三菱UFJ銀行の口座から平日の8:45~18:00に引き出すと手数料は220円だ(25日と月末は特例で無料)。1回の引き出しで、1年分の金利が吹き飛んでしまうということだ。コンビニATMでしょっちゅう引き出している人は、手数料を払うとどんどん元本割れしているともいえる。

それこそネット銀行は出金をコンビニATMで行う。銀行によって手数料無料で引き出せたり、無料で引き出せる回数が決まっていたりするが、時折、条件の見直しがあるので注意が必要だ。

引き出しどころか、入金だって手数料がかかる場合がある。PayPay銀行は、月に2回目の入金から手数料がかかり、3万円未満の入金は165円だ(ゆうちょ銀行は330円)。GMOあおぞらネット銀行も現在は回数制限なく入金無料だが、2024年7月からは無料回数を超えると110円かかるようになる。利用者がしっかり意識していないと、簡単に元本割れしてしまうのだ。金利よりも、手数料とその条件を定期的に確認し、変更のニュースがないかもチェックしておきたい。(※手数料は税込み)

ネット銀行の普通預金はどう使うか

給与振り込みは店舗がある大手銀行で、サブ口座はネット銀行という人も多いだろう。筆者は、ネット銀行の普通預金で「現金保険」の積み立てをしている。加入していた生命保険から医療特約を外したため、その代わりに入院給付がわりのお金を貯めているのだ。

もし、緊急で入院することがあった時にこのお金を使うと決めている。普段は貯めっぱなしなので金利が上がれば少しは利息がつくうえ、いざという時にすぐに引き出せる。なんだかんだと100万円近く貯められたので、医療保険代わりには十分だろう。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください