中国1─2月輸出は前年比＋7.1％、輸入＋3.5％ 予想上回る

　中国税関総署が７日に発表した１─２月の輸出は、前年同期比７．１％増加し、輸入も同３．５％増加、いずれも予想を上回った。写真は山東省煙台の港に並ぶ輸出向け車両の列。昨年５月撮影。チャイナ・デイリー提供(２０２４年　ロイター)

[北京 ７日 ロイター] - 中国税関総署が７日に発表した１─２月の輸出は、前年同期比７．１％増加し、輸入も同３．５％増加、いずれも予想を上回った。

国際貿易が回復に向かっていることが浮き彫りとなった。韓国、ドイツ、台湾でも１─２月の輸出が予想を上回っている。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は、輸出が１．９％増、輸入が１．５％増だった。１２月は輸出が２．３％増、輸入が０．２％増だった。

１─２月の貿易黒字は１２５１億６０００万ドル。市場予想は１０３７億ドルだった。１２月は７５３億ドルだった。

エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのシニアエコノミスト、Xu Tianchen氏は「予想を上回る統計はエレクトロニクス部門を中心に国際貿易が回復していることを反映している。ただ、ベース効果も支援要因だ。前年同期の輸出は６．８％減少していた」と述べた。

税関総署は春節（旧正月）の時期が前年と異なるため、１─２月の統計を合算して発表している。今年の春節は２月だった。

キャピタル・エコノミクスの中国担当エコノミスト、Zichun Huang氏は「輸出価格の変動と季節要因を考慮すると、１─２月の輸出量は大幅に増えており、記録を更新した」と指摘。「ただ、こうした力強さが持続可能とは思えない。輸出業者が市場シェアを確保するため値下げする余地は狭まっている」と述べた。

株式市場に反応は見られず、優良株の動きを示すＣＳＩ３００株価指数と香港市場のハンセン指数はともに下落している。

１─２月の対米輸出は前年同期比５％増と、昨年１２月の６．９％減からプラスに転換した。一方、欧州連合（ＥＵ）向けの輸出は１．３％減少した。

政府は昨年６月から景気刺激措置を打ち出しており、今後もさらなる対策を講じる方針を示している。ただ財政政策の余地はかなり限定的とみられており、李強首相が５日に行った政府活動報告も投資意欲につながる内容はなかった。

ピンポイント・アセットマネジメントのチーフエコノミスト、Zhiwei Zhang氏は「輸出増は不動産部門低迷の一部相殺に寄与する。当局者の自信を強め、地方政府の債務問題解決など構造的政策目標を支援するだろう」と述べた。