FRB高官、依然インフレ鈍化見通すものの慎重姿勢も
ロイター / 2024年3月26日 5時55分
Howard Schneider Lindsay Dunsmuir
[ワシントン 25日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)高官らは25日、依然としてインフレが鈍化するとの見方を示した。特に住宅価格の上昇一服が物価上昇ペースを抑制すると予想。一方、警戒感の高まりも認識しているとした。
FRBのクック理事はハーバード大学のイベントでの講演原稿で、インフレ低下と堅調な労働市場に言及した上で「雇用と物価を巡る目標の達成に向けたリスクは、良好な均衡に移行しつつある」と述べた。その上で、FRBは利下げに着手する時期を慎重に見極める必要があるとも述べた。
米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁はヤフー・ファイナンスのインタビューで、住宅インフレの持続には驚かされ続けているとしながらも、いずれ下火になるとの見通しを提示。「住宅インフレをパンデミック前の水準に近づけなければならない。住宅市場で賃料の水準には進展がみられるが、全体的なデータではまだそれが見られない」と指摘した。
FRBは19─20日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25─5.50%で据え置いた。同時に発表した金利・経済見通しでは、中央値で年内少なくとも3回の利下げ予想を維持した。
グールズビー総裁は「自分自身の予想は中央値と一致する」と述べ、FRBの政策担当者の間では、今後数カ月のうちにインフレ率が十分に低下し、金融緩和が進むとの見方が続いていることを示した。
市場では依然としてFRBが6月に利下げを開始するとの見方が優勢になっている。ただ、先週発表された金利・経済見通しでは、今年の利下げペースの予測は縮小傾向にあるようだ。
29日には2月の個人消費支出(PCE)価格指数が発表される。
このデータでデータでインフレ率の着実な鈍化が確認されると思うかとの質問に、グールズビー氏は「現在のインフレ率が目標を大きく上回っていることを考えると、そうでなければならない」と回答した。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は、1月に前年同月比2.8%上昇。ロイター調査によると、エコノミストは2月も同じペースでの上昇を予想している。
クック氏は利下げに着手する時期のほか、想定される利下げペースについては手がかりを示さなかったが、利下げを検討する際には慎重に行動すべきだという点では同意した。
この記事に関連するニュース
-
FRB当局者、利下げ急がない方向で一致 インフレ鈍化鈍く
ロイター / 2024年4月19日 9時11分
-
米FRB、ある時点で利下げへ 急ぐ必要ない=クリーブランド連銀総裁
ロイター / 2024年4月18日 9時6分
-
焦点:依然好調な米経済、インフレ続けば世界経済の圧迫要因に
ロイター / 2024年4月16日 7時5分
-
カナダ中銀、金利据え置き 利下げ時期示唆せず
ロイター / 2024年4月11日 1時12分
-
焦点:FRB2幹部、利下げ転換警戒発言 インフレ上振れリスク指摘
ロイター / 2024年4月6日 7時1分
ランキング
-
1「プリンを食べるか我慢するか」で人生変わる理由 後悔しない時間の使い方を身につける方法
東洋経済オンライン / 2024年4月28日 18時0分
-
2みずほFG「転売品を購入しないで」 新1年生向けピカチュウ交通安全ワッペン、メルカリへ出品相次ぐ SNS「子どもの安全を売るなんて」
まいどなニュース / 2024年4月28日 19時25分
-
3IHIで絶えない「品質不正」、職場風土の大問題 エンジン「燃費データ」を40年にわたり改ざんか
東洋経済オンライン / 2024年4月29日 8時0分
-
4円急落、一時160円台に 34年ぶり円安、乱高下
共同通信 / 2024年4月29日 13時35分
-
5テスラのマスクCEO、北京で李強首相と会談「協力を深めウィンウィン実現したい」
読売新聞 / 2024年4月28日 23時26分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください