ホンダ、充給電できる新型FCVを世界初公開 年内に日米発売
ロイター / 2024年2月28日 11時8分
ホンダは28日、日米で年内に投入する新型の燃料電池車(FCV)「CR─V e:FCEV」を発表した。写真は、同社のロゴを記した旗。2016年3月8日に撮影。(2024年 ロイター/Thomas Peter)
Maki Shiraki
[東京 28日 ロイター] - ホンダは28日、日米で年内に投入する新型の燃料電池車(FCV)「CR─V e:FCEV」を発表した。北米や中国などで販売しているスポーツ多目的車(SUV)の「CR―V」をベースにしたFCVで、日本車メーカーとして初めて、家庭や外で充給電できるプラグイン機能を備え、利便性を高めた。東京都内の展示会で世界初公開した。
水素を燃料として走るFCVは走行時に水しか排出しないため、脱炭素社会に向けたエコカーの1つとして期待されているが、水素を充填する拠点がまだ少なく、FCVの普及は思うように進んでいない。ホンダは人気のSUVタイプで電気自動車(EV)としても走行できる充給電機能も搭載することで普及につなげたい考えだ。
ホンダはFCVとEVの新車販売比率を30年に20%、35年に80%、40年には100%にする目標を掲げている。
1回の水素充填による走行距離は600キロ以上。充電だけでは60キロ以上となる見込み。同社の調べでは、個人の乗用車1回あたりの走行距離は10キロ以下が約8割となっており、同社は水素充填スタンドがすぐ見当たらなくても走行できなくなる不安は軽減されるとみている。
米国では今年後半から水素スタンドの多いカリフォルニア州でリース販売を開始。日本では29日から先行予約を受け付け、今夏からリース販売を検討している。米国の工場(オハイオ州)で生産し、日本へ輸出する。販売目標や価格は現時点で公表していない。
米ゼネラル・モーターズと共同開発した燃料電池システムを搭載。同システムは両社合弁の米国工場(ミシガン州)で生産し、商用車や定置電源など他用途分も含めて20年代半ばに年2000台の初期販売を目指している。
ホンダのセダンタイプFCV「クラリティ フューエル セル」のシステムに比べ、白金の使用量を80%、セル数を15%それぞれ削減、量産効果もありコストを3分の1に抑制。耐久性も倍増させ、耐低温性も向上させた。
16年からリース販売していたクラリティは、生産拠点の狭山工場閉鎖に伴い21年に生産を終了、累計販売は日本で281台、米国で2111台だった。
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