朝食のフルーツジュース、メンタル不安…「糖質のとり過ぎで日中眠くなる人」の特徴と対策
ananweb / 2024年4月26日 20時0分
忙しいのにやる気になれず、気持ちは焦るばかり。しかもそんなときに限って眠気に襲われる…。眠気に打ち勝つのは至難の業ですよね。そうならないよう、日ごろから良質な睡眠を得るための生活習慣、食生活の心がけがやっぱり大切です。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、日中の眠気対策となる食薬習慣と、NG習慣を教えてくれます!
朝はフルーツジュースでなく果物をそのまま取り入れよう
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 263
やりたいことがどんどん増え、やりきれなかったことが溜まっていき、もう何から手を付けたらよいのかわからない…そんな状況に陥っている人も多いかもしれません。優先順位をつけることすら面倒に感じ始めたら何も進まなくなり、処理スピードも格段に落ちてしまいますよね。
しかも、絶対に寝てはいけないときに限って、強烈な睡魔が襲ってきてしまうことも多く、舌を噛んでみたり、ボールペンで手を突っついてみたり。どうにか起きようとしてみても、一度うとうとし始めるとその状況から抜け出すことは至難の業です。トイレに立っても、コーヒーを飲んでも、一向に目が覚めず、仕事がはかどらないばかりか、怠惰で失礼な態度に見えてしまいます。眠気とは本当にやっかいなものですよね。
ということで、今週は何をやるか、やらないか、優先すべきかを仕分けし、集中して一つのことに取り込むことができるように、日中の眠気対策となる食薬習慣を紹介していきます。
今週は、日中の眠気対策となる食薬習慣
やらなければならないことが山積みになると私たちがついしてしまいがちなのが、現実逃避です。急に身の回りの掃除をし始めたり、動画を見始めたり、今やる必要のないことばかりし始めてしまうことってありますよね。そして、無駄に夜更かししてしまった次の日の朝はだるくて、日中はぼーっとして、いざというときに寝てしまったあげく、夜には自由時間を謳歌するという、忙しい時に限って出てくるダメなバージョンの自分が嫌になる…そんなこともあるかもしれません。
この諸悪の根源ともなる日中の眠気が起こる理由を漢方医学では、貧血気味な女性に多い『血虚』によって集中力が欠落し、注意力散漫になる状態と考えます。そして、もう一つ血糖値の乱高下により昼食後から眠くて集中力がなくなる『脾気虚』の状態であると考えます。そこで、『脾』をサポートし『気血』を補う食薬がおすすめです。
今週食べるとよい食薬は、【グルテンフリー焼売】です。そして逆にNG習慣は、【朝イチのオレンジジュース】習慣です。
食薬ごはん【グルテンフリー焼売】
『気血』を補う鶏肉でつくる焼売です。小麦粉の生地ではなくキャベツの生地にすることによって、糖質オフかつ胃や腸の働きをサポートし『脾気』を養うこともできます。レンチンで簡単にできるので、お弁当のおかずや面倒な日のおかずにもおすすめです。
<材料>
キャベツ 芯など(みじん切り)
(a)
鶏ひき肉 150g
味噌 小さじ2
オートミール 大さじ1
生姜 1片(みじん切り)
キャベツ たっぷり(千切り)
<作り方>
ポリ袋にaを入れよくこねる。aを一口大にまるめ、キャベツを全体にまぶし、耐熱容器に並べる。あまったキャベツも一緒にいれる。ラップをして、レンジ600wで5分くらい加熱したら完成。
NG行動【朝イチのオレンジジュース】
日中のパフォーマンスが悪くて困っている人は、朝にオレンジジュースを飲むのではなく、オレンジやミカン、グレープフルーツをそのまま食べる方がおすすめ。そのときには、薄皮は取り除かずに食物繊維もたっぷり食べましょう。朝に果物をとることは、糖質や食物繊維、ビタミン、ファイトケミカルなどを取り入れることができ、さらに果物をむいたり、切ったりするときに果物の香りをたっぷり楽しむこともストレスケアになります。
ですが、朝イチでジュースに加工された果物をゴクゴク飲むと、糖質過多になったり、血糖値が急上昇したりすることで、日中の眠気、集中力の低下、メンタルが不安定になることなどもあります。もし健康習慣と考えオレンジジュースやフルーツジュースなどを取り入れている場合には、違った健康習慣を検討してみるのが良いと思います。
いつまでもやる気がでずにウトウトしていると時間がどんどんなくなり、最終的に自分で自分を追い詰めることになってしまいます。そうならないように、集中力を下げてしまうような血糖値の乱高下を生じさせる食事を引け、胃腸に負担がかからないようなタンパク質やビタミンB群、良質な脂質を含む食事などを心がけていきましょう。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
※食薬とは…
『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。
近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。
ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。
Information
<筆者情報>
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。
公式LINEアカウント@aika
『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。
©ひとりごと/Adobe Stock
文・大久保愛
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