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一体いつ頃から? 信号のLED化が始まった時期

バイクのニュース / 2023年2月5日 9時0分

LEDの信号機は、いつから普及し始めたのでしょうか。

■信号のLED化が始まった時期

 白熱電球や蛍光灯などよりも省エネでエコであるLEDは、今では一般家庭をはじめ、幅広い用途に使われるようになりました。このLED化の流れは、道路の安全を支える信号機も例外ではありません。

 現在、全国の信号機の半数以上がLED式に置き換えられており、当たり前のように目にすることができます。ここ数年で急速に普及が進んだLED式信号機ですが、いつ頃から設置され始めたのでしょうか。

全国に普及しているLED式信号機全国に普及しているLED式信号機

 LED信号機がはじめて導入されたのは、1994年7月です。まず愛知県名古屋市にある「市役所」交差点に設置されましたが、この時は青色LED矢印信号機のみでした。

 そしてこのLED信号機、実は国内初ではなく世界ではじめて設置されたLED信号機でもあります。

 全国ではじめて3色のLED信号機が設置されたのは1994年10月21日で、場所は徳島県警本部前の交差点。歩道上にある制御盤プレートには、全国初の文字と設置された日付がしっかりと明記されています。しかし当時は、現在普及しているLED信号機よりも青信号の色が青白っぽい色味だったり、LEDの粒が細かいなど古さが感じられる作りでした。

全国に約87万機設置されているLED信号機全国に約87万機設置されているLED信号機

 では現在、全国のLED信号機はどのくらい普及が進んでいるのでしょうか。

 警視庁の調べによると、全国の信号機全体の数は2021年現在で207万基。このうち、車両用信号機が約126万基で、歩行者用信号機が約103万基となっています。さらに車両用信号機に限って見ると、LED信号機は約87万基にのぼり、全体の約69%の割合を占め、全国で7割近くの信号機がLED化されたことになります。

 しかし、都道府県別にみると、地域によって普及率にばらつきがみられ、車両用のLED信号機の設置の進み具合は、東京都での普及率は100%。つまり、現在すでに都内で電球式の信号機を見ることはできなくなっているというわけです。次いで、福岡県が99.8%、長崎県が99.1%、沖縄県が96.8%、宮城県が94.6%との順で普及している状況。

 一方、LED信号機の設置がもっとも遅れているのが北海道で、普及率は33.2%。次いで、広島県が40.6%、静岡県が46.7%となっています。

■信号機がLED化された理由とは

 急速にLED信号機を普及させている理由は、従来の電球式信号機にはないメリットがあるためです。

電球式信号機は3色信号をそれぞれの色のカバーで覆う構造電球式信号機は3色信号をそれぞれの色のカバーで覆う構造

 電球式信号機は、電球と反射板で構成されており、3色信号をそれぞれの色のカバーで覆った構造でした。つまり、クルマやバイクのライトと同じ仕組みです。しかし、この構造には朝日や夕日が当たると内部の反射板が反射してしまい、実際に点灯していなくても光って見えてしまう「疑似点灯現象」が起こるという問題があったのです。

 これに対しLED信号機は、小さなLEDの粒が発光して色も表現することができるため、電球式のようなムラがなく均一に発光するので、視認性に優れています。色つきのカバーも不要なので、消灯時は黒いため明暗がはっきりして見間違える心配もありません。

 さらに電球式は、内部のフィラメントが切れると完全に点灯しなくなる可能性がありました。しかしLED式は、ひとつのLEDが切れても他のLEDは点灯し続けるため、球切れの心配もありません。

省エネ効果が得られるのもLED式信号機の大きな利点省エネ効果が得られるのもLED式信号機の大きな利点

 省エネ効果が得られるのも、大きな利点。LED式は電球式に比べて消費電力が6分の1程度(約15W)のため、電気料金のコストを抑えることができます。加えて、電球式よりも約10倍長持ちするといわれるLED式の寿命は約6年から8年。そのため、交換にかかるメンテナンス費用を節約できるメリットもあります。

 このように、いいことずくめのLED信号機ですが、雪国ではLED式ならではの長所が仇となる場合があります。消費電力が少ないLED式は、ほとんど発熱しないので、降雪地域では信号機に付いた雪が溶けず、吹雪などで横から吹き付ける雪がレンズの表面を覆ってしまい、信号が判別しづらくなる問題が発生。そのため、降雪地域では雪対策として、さまざまな工夫が施されています。

雪国の信号機は縦型にして雪が積もりにくくするなどの工夫が施されている雪国の信号機は縦型にして雪が積もりにくくするなどの工夫が施されている

 例えば、雪の重みを減らすために信号機を縦型にしたり、レンズにひさしや透明のカバーを付けたり、ヒーター付きのLED信号機を導入している地域もあります。それでも除雪が間に合わない場合は、警察官がヘラの付いた長い俸を使って、手作業で雪を取り除くこともあります。

 また、最近では厚さ6cmの平らな板状の「フラット型」も登場。ひさしがないので雪が積もらず、下向きに20度傾いているため、雪がレンズ面に付くこともありません。このフラット型は現状ではかなり効果が高いため、雪国で少しずつ普及し始めているようです。

 なお、2017年からは車両用のLED信号機のレンズ径が、これまでの30cmから25cmに変更されました。これにより、信号機の横幅が20cm短くなり、ひさしも省略されています。その結果、製造コストが約17%削減されたほか、約6割の軽量化でコンパクトとなったため、在庫の保管スペースの縮小も実現されました。

 この新型LED信号機は同年6月に、大阪市鶴見区の交差点ではじめて導入されました。そして順次、全国すべての信号機が同新型に交換される見込みとなっています。

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