いつすればいいか説明できる? 車線変更の正しいタイミングとは
バイクのニュース / 2024年4月17日 13時10分
機動力に優れ、爽快な走りを楽しめるのが魅力でもあるバイクですが、だからと言って、好き勝手に車線変更をしながら走行して良い訳ではありません。では、具体的にどう言ったタイミングで、車線変更をするのが正しいのでしょうか。
■車線変更の正しいタイミングとは?
バイクは車体が軽く機動力に優れているので、スイスイと車線変更をしながら運転しているライダーも多いと思います。しかし、道路交通法では車線変更についてルールがしっかりと定められており、誤った方法でおこなえば違反に問われる場合があるので注意が必要。
また、道路上に描かれた車線は色や形で意味が異なり、間違った解釈で車線変更をしてしまうと、違反になるだけでなく、周囲のクルマに迷惑がかかったり、事故を誘発する原因にもなりかねません。
車線変更の手順や車線の意味などは教習所で習っているはずですが、意外と忘れてしまいがち。いつでも正しい車線変更がおこなえるように、知識を身に付けておくことが大切です。
道路交通法で車線変更についてルールがしっかりと定められている
道路交通法第26条の2では、むやみな車線変更を禁止することが定められており、条文によると「車両は、みだりにその進路を変更してはならない」と記載されています。
具体的には、車線変更をする際に他車の進路を妨害するおそれがある場合や、道路標示によって禁止されている場所での車線変更をしてはならないという事。つまり、車線変更が可能な場所であっても、他車の進路を妨げるような運転をすると違反になる可能性があるという事です。
ただし、道路工事や道路の損壊、駐車車両などがあり、避けなければ通れない場合は例外として車線変更してもOK。車線変更をする際の手順も重要で、ダメな例としてよく見かけるのが、ウインカーを出すと同時に車線変更をするケースです。
ウインカーは、自分が車線を変更することを前もって知らせるための合図であり、周囲の車両に注意を促すという重要な役割があります。
ウインカーを出していても急に車線変更をすれば、周囲を走るクルマのドライバーを驚かせてしまったり、接触事故につながるおそれがあるため、手順はしっかりと守っておこなわなければなりません。
車線変更のルールは、進路を変えようとする約3秒前にウインカーを出すのが基本
車線変更のルールは、進路を変えようとする約3秒前にウインカーを出すのが基本です。そして、十分に車間距離を保ちながら車線を変更する前にミラーだけでなく、目視で後方の安全を確認。バイクの斜め後方にはミラーには映らない死角が存在するので、必ず自分の目で確認することが大切です。
そして十分に安全が確認できたら、ウインカーを出しながらゆっくりと車線を変更。隣の車線に移り、一連の動作が終わったらウインカーを消しましょう。
なお、ウインカーを消し忘れて点滅させたまま走り続けているバイクをたまに見かけますが、ヘルメットを被っていてウインカーの音が聞こえづらかったり、そもそも音が出ない車両もあるので消し忘れには十分に注意してください。
また、ウインカーを出すタイミングは早すぎても遅すぎてもいけません。3秒前のルールをしっかりと守れるように頭の中で数えながらやるなど、自分なりのルーティンを決めて車線変更をおこなうようにしましょう。
■道路に引かれた線の意味をおさらい
車線変更をする際は、路面に引かれた白やオレンジ色のラインの意味を知っておくのも重要です。
片側2車線以上の道路で、同一方向の車両通行帯には白の破線、白の実線、オレンジ色の実線の3種類の車両境界線が存在。また、センターラインにも同じ3種類のラインが引かれていますが、車両境界線と意味が少し異なり、混乱してしまいがちなので注意してください。
車両境界線の場合は、白の破線、白の実線のどちらも車線変更と追い越しが可能
車両境界線の場合は、白の破線、白の実線のどちらも車線変更と追い越しが可能。センターラインの場合、白の破線は片側の道幅が6m未満の道路に引かれており、線より右側にはみ出すことが可能です。交通量の少ない比較的狭い道路に引かれていることが多く、3種類のラインの中でもっとも自由度の高いラインといえるでしょう。
そして、センターラインの白い実線は、片側の道幅が6m以上の広い道路に引かれています。こちらは、白の破線とは大きく意味が異なり、線をはみ出すことは禁止。つまり、追い越しをする場合でも右側にはみ出すことはNGで、ラインをまたいでの走行はできません。
ただし、線を超えないで追い越すのであれば問題無し。車両境界線のオレンジ色の実線の場合は、ラインをはみ出すことが禁止されています。
オレンジ色の車両境界線は、交差点の手前でよく見られるラインです。そのため、うっかり間違えて入ってしまった場合は、走行レーンが指定する進路に従って走行しなければなりません。隣のレーンが空いているからといってラインをまたいで車線変更をすると、違反になってしまうので注意してください。
また、センターラインのオレンジ色の実線は、片側の道幅が6m未満の道路に引かれていて、追い越しのための右側へのはみ出しは禁止されていますが、停車中のバスや路駐されているクルマなどを追い越すために、右側にはみ出すのは問題ありません。
また、白の実線と同じように、線を超えなければ追い越すことは可能です。
原則としてトンネル内であっても片側2車線以上の道路であれば車線変更をしても、問題はない
なお、白とオレンジ色の二重に引かれた車両境界線もあります。この場合は、自分が走行している側のラインが適用される決まり。たとえば、オレンジ線が手前にあれば車線変更はNGですが、白のラインが手前にあるなら車線変更は可能です。
他にも、トンネル内で車線変更をしてもよいのかどうか分らないという人もいると思いますが、原則としてトンネル内であっても片側2車線以上の道路であれば車線変更をしても、問題はありません。
ただし道路交通法第30条で、車両通行帯の設けられていない道路での追い越しは禁止されています。つまり、片側1車線のトンネルでは、センターラインの色にかかわらず追越しはできません。
トンネル内は、急に暗くなり圧迫感があるため、事故が起こりやすい場所です。とくに高速道路では、2車線以上でも車線変更を禁止している長いトンネルも多くある為、もしトンネル内で車線変更をする場合は、より慎重に運転するように心がけましょう。
ちなみに、車線変更が禁止されている場所で違反をすると、反則金が二輪車は6000円(原付5000円)に加え、違反点数1点が科せられます。それほど重い罪ではありませんが、車線変更をする際は他車を巻き込んでの事故が起きやすいため、手順やルールをしっかりと守ることが大切です。
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