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ロピアは埼玉の上場スーパー「スーパーバリュー」買収で“変身”した(有森隆)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月9日 9時26分

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転機だったスーパーバリューの買収(C)日刊ゲンダイ

【企業深層研究】ロピア(下)

 首都圏でディスカウントスーパーといえば、オーケー(横浜市)とロピア(川崎市)が双璧だ、といわれている。

 東京都、神奈川県の郊外部を中心に店舗展開しているため、2023年10月にオーケーが銀座に出店して話題をさらうまでは、確かにマスコミなどでの出番が少なかった。オーケーの銀座の成功に刺激され、ロピアも首都圏進出に本腰を入れる。

 ロピアは持ち株会社OICグループ(旧・ロピア・ホールディングス、川崎市)が運営する。持ち株会社が果敢にM&Aを仕掛けていく。

 最大の転機となったのは22年、上場会社を買収したことだ。埼玉県などでスーパーとホームセンターを運営するスーパーバリュー(埼玉県上尾市、当時東証マザーズ、現東証スタンダード上場)を子会社に組み入れたことだ。

 22年2月、スーパーバリューの主要株主から株式を譲渡された。当初、33.17%を取得し、第2位の株主となった。同8月、第三者割当増資で51.62%を支配し、親会社となった。

 さらに23年2月、再び第三者割当増資を引き受け、保有比率を66.61%に高めた。既存店を改修し、調達する商品も一部見直すなどし、競争力を高めたはずなのに、成果ははかばかしいものではなかった。

 スーパーバリューの24年2月期の売上高は前期比3.3%増の700億円と少し回復するが、最終損益は22億円の赤字となった。23年2月期の19億円の赤字から拡大した。

 買収したスーパーバリューが上場会社だから、親会社、OICグループも財務内容を開示している。資本金1000万円で創業家の資産管理会社が100%保有。23年2月期の売上高は子会社からの店舗管理収入や手数料収入を中心に104億円、営業利益25億円、純利益26億円。長期借入金は61億円あるが自己資本が79億円、自己資本比率は26.4%と健全経営である。

■道場六三郎事務所、アキダイを買収

 21年12月、テレビでお馴染みの“和の鉄人”こと道場六三郎氏の会社、和席・懐石料理、道場六三郎事務所を買収した。

 23年3月、東京の青果物主力のローカルチェーン、アキダイを買収している。社長の秋葉弘道氏は毎日のようにテレビの報道番組で、その日に安い青果物を紹介してくれる人として有名で、アキダイに「日本一有名な八百屋」という名前がついた。

 ロピアグループが傘下に組み入れたスーパーは、売り場を「エブリデーロープライス(EDLP)」仕様に転換して再生に取り組んでいる。

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