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Appleの“プロモーション動画炎上”で感じた、万人に受け入れられる表現の難しさ

ITmedia Mobile / 2024年5月20日 10時5分

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Appleのプロモーション動画「Crush!」でつぶされる絵文字

 Appleは5月7日に新型iPad Proを発表しましたが、その発表イベントで流れた動画が悪い意味で注目され、2日後にはAppleの対応としては珍しく、謝罪を行うという事態になりました。

 事の発端は、iPad Pro発表時に流した動画「Crush!」。この動画はティム・クックCEOがXにポストした他、YouTubeにもアップされています。内容としては、楽器やゲーム機、カメラやペンキなどを巨大なプレス機で押しつぶしていき、最後にプレス機からiPad Proが登場するというもの。

 私はイベントをリアルタイムで視聴していなかったので、この動画が炎上気味だという情報を知った上で見たのですが、それでも内容にはあまりピンとこず、さまざまなものが押しつぶされてもiPad Proは無事だと、その薄さをアピールしたかったのかなと思った程度(iPad ProがApple史上最薄というのは知っていたため)。今思えば、さまざまな機能をiPad Proに圧縮したという表現だったのでしょう。他にも、Crushというタイトルには、固定観念や常識を壊すという意味も含めていそうです。

 また、YouTubeやTikTokなどで何かを壊すというのは、一定の人気があるコンテンツです。「Crush!」も、そのように面白がってもらえると考えた上での表現だったのかもしれません。

 何を訴えかけるのかは別にして、こうした押しつぶすという演出は目新しいものではありません。例えば、LGが2008年11月(15年半前)に携帯電話「LG KC910 Renoir」の宣伝のために作成した動画は、楽器やカメラ、ペンキなどを押しつぶして圧縮していくというというもので、今回の「Crush!」とほぼ同じ内容です。

 15年前にLGの動画が炎上したという記憶はないのですが、当時はまだSNSの黎明(れいめい)期。Twitterは2006年にサービスが開始されていた他、FacebookやMySpaceなど、SNS自体は存在しており、不快に感じた人もいるのでしょうが、それが広く発信されることはなかったのかもしれません。

 しかし、現在は誰もが簡単に気持ちを発信できる時代です。過去には問題なかったプロモーションが炎上してしまうということもあるでしょう。「Crush!」の公開後、SNS上では主に楽器やカメラなどの器材がつぶされるという演出について、「リスペクトが足りない」「(それらの器材を使用している)クリエイターをばかにしている」など、批判が多く寄せられていました。

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