バイデン米政権、CHIPSプラス法の助成第6弾はサムスンのテキサス州拠点に64億ドル(米国、韓国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月16日 13時20分
米国のバイデン政権は4月15日、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づいて、米国商務省と韓国サムスン電子が最大64億ドルの助成金について予備的覚書(PMT)に署名したと発表した。サムスンが今後数年間にわたりテキサス州オースティン周辺で予定する合計400億ドル以上の半導体関連投資を補完する。
ジーナ・レモンド商務長官はプレスリリースで「今回提案された投資は、われわれの半導体サプライチェーンの最初に米国を位置付け、米国内の強靭(きょうじん)な(半導体)エコシステムを守る上で必要な長期的な安定を確保するのを助ける継続的な民間投資の呼び水となる」と述べた。
サムスンは2022年から、テキサス州オースティン市近郊のテイラー市で、半導体製造拠点を建設中だ(2021年11月24日記事参照)。ここでは、回路線幅2ナノメートル品と4ナノメートル品の量産を担う2カ所の先端ロジック半導体施設をはじめ、研究開発施設や先端パッケージング施設の建設が進む。また、同社は1996年から操業するオースティン工場での拡張投資も計画している。ホワイトハウスの発表によると、これらの投資により、少なくとも2万1,500人の雇用創出が見込まれている。
レモンド長官は、半導体の研究開発施設やパッケージング工程がアジアに集積する現状を指摘し、米国製のチップでも多くはパッケージングのために台湾に輸出されており、それには防衛システムに使用される製品も含まれることに言及した。サムスンがテキサス州でチップ製造に加えて、新たにパッケージング拠点を持つことによって、半導体製造の国外依存を低減する効果が期待されている(政治専門紙「ポリティコ」4月15日)。
CHIPSプラス法に基づく資金援助の発表は、今回のサムスンが6件目。これまでに、BAEに3,500万ドル、マイクロチップ・テクノロジーに1億6,200万ドル、グローバルファウンドリーズに15億ドル、インテルに最大85億ドル、4月8日には台湾積体電路製造(TSMC)に最大66億ドルの助成が発表されている(2024年4月9日記事参照)。
(キリアン知佳)
(米国、韓国)
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