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米下院、AIに関する超党派タスクフォース設立(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年2月28日 0時15分

米国連邦議会下院のマイク・ジョンソン議長(共和党、ルイジアナ州)とハキーム・ジェフリーズ少数党院内総務(民主党、ニューヨーク州)は2月20日、人工知能(AI)に関する超党派のタスクフォースを設立すると発表した。タスクフォースは関連する委員会と協議しつつ、AI政策の指針となる原則や政策提言を含む包括的な報告書を作成する予定だ。プレスリリースでは、「(AIがもたらす)現在と将来の脅威から国家を守るために適切なガードレールを検討しつつ、いかに米国がAIのイノベーションで世界をリードし続けることができるかを模索する」と記した。

タスクフォースのメンバーは共和、民主各党から12人ずつ指名され、計24人で構成する。議長は共和党のジェイ・オベルノルテ議員(カリフォルニア州)が務め、民主党のテッド・リュー議員(カリフォルニア州)が共同議長に就く。

ジョンソン下院議長はプレスリリースで、米国の競争力を維持し、国家安全保障を確保しつつ、「安全で信頼できる技術の開発を確実にするためにどのようなガードレールが必要かを慎重に検討しなければならない」と指摘した。ジェフリーズ少数党院内総務は、全ての米国人がAIの進歩から公平な方法で利益を得られるようにすることや、悪意ある者によるAIの悪用を防ぐことが必要だと主張した。オベルノルテ議員はタスクフォースによる報告書に、AI規制の基準の詳細のほか、消費者保護やAI分野への投資促進のための方策を盛り込む意向を示した。

AI規制に関する包括的な法案を目指す動きは、上院で先行している。2023年6月には上院民主党トップのチャック・シューマー院内総務(ニューヨーク州)がAI法案のための行動枠組みとして「SAFEイノベーション・フレームワーク」(2023年6月22日記事参照)を発表し、同年12月までに産業界の代表や識者を招いたテーマ別のフォーラムを9回にわたって開催した。このほか、リチャード・ブルーメンソール(民主党、コネチカット州)、ジョシュ・ホーリー(共和党、ミズーリ州)両上院議員も同年9月に超党派法案の枠組みを発表している。両議員は、上院司法委員会のプライバシー・技術・法小委員会で委員長と少数党筆頭理事をそれぞれ務める。

上下両院では、選挙など個別分野でのAI利用を規制する法案が複数提出されているが、議会を通過した法案はまだない。AIの開発や利用に対する安全策に関しては、2023年10月の大統領令に基づくバイデン政権の措置(2024年1月30日記事参照)や、産業界による自主的な取り組み(2024年2月22日記事参照)が先行している状況だ。

(甲斐野裕之)

(米国)

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