トヨタ「スターレット」復活! ホンダ「シティ」日産「サニー」も販売中!? なぜ“懐かし車名”海外で蘇る? 理由とは
くるまのニュース / 2024年3月25日 7時10分
日本でかつて販売されていたクルマが海外で復活するケースがあります。ほとんどの場合、元のクルマとコンセプトが異なることが多いですが、どのような背景があって復活するのでしょうか。
■「懐かしい車名」なぜ復活? トヨタ「マジェスタ」復活? 他にも続々!
近年、日本では消滅したモデル名が海外を中心に復活するケースが増えています。
そこにはどのような理由があるのでしょうか。
かつてはトヨタ「クラウン」の最上級グレードに用いられていた「マジェスタ」というサブネームですが、クロスオーバーSUVを中心とするラインナップへと大胆に生まれ変わった現在のクラウンシリーズには、その名を冠したグレードは設定されていません。
一方、日本から遠く離れたサウジアラビアでは、クラウンクロスオーバーの最上級グレードに対してマジェスタの名が用いられています。
このように、日本では消滅した名称が海外で復活するという例が最近増えています。
たとえば、南アフリカではトヨタ「スターレット」「ヴィッツ」、タイなどではホンダ「シティ」、そして中東では日産「サニー」、それぞれ日本で販売終了した後に復活しています。
ただ、スターレットはスズキ「バレーノ」のOEM車、シティは「フィット」ベースのコンパクトセダン、サニーは北米における「ヴァーサ」であるなど、かつて日本で販売されていたモデルとは直接関係があるとは言えません。
また、これらのモデルが将来的に日本国内に導入される可能性も皆無です。
にもかかわらず、なぜ日本のユーザーにとってなつかしいモデル名が海外で復活するケースが増えているのでしょうか。
現実的な理由としては、知的財産権に関する問題が挙げられます。
通常、クルマのモデル名はその国や地域における商標登録をおこなったうえで実際に使用されますが、近年、知的財産権に対する意識が世界的に高まったことなどにより、商標登録やその関連法規に対応するコストが跳ね上がっています。
さらに、モデル名に使用できそうな単語や記号はすでに商標登録がおこなわれているというケースもめずらしくありません。
ポルシェ「911」は、当初はコードネームであった「901」という名称で販売される予定でしたが、中央に「0」を含む3ケタの数字はすでにプジョーが商標登録していたために、911という名称になったことはよく知られています。
もし、新規のモデル名を採用しようとするとこれと同じことが起こる可能性が高いと考えられます。
であるならば、すでに商標登録をしている名称を用いたほうがコストやリスクを最小限に抑えられるというのが、多くの自動車メーカーに共通した考えとなっているようです。
そのため、昔なつかしいモデル名を採用するケースは、今後も増えていくことが予想されています。
■「なつかしのモデル名」が増え続ける理由とは
一方、マーケティング上の観点からも昔なつかしいモデル名を採用するメリットは少なくアリません。
そのひとつは、歴史や伝統、そしてそれらがもたらす信頼感をアピールすることができ、それによって他車と差別化を図ることができるということです。
たとえば、2023年10月にホンダが発表した「プレリュード コンセプト」は、かつての「プレリュード」とは機構が大きく異なっていますが、歴史あるモデルの名前を用いることで、単なる新型車以上の価値を持たせています。
このことは、電動化の潮流によって新興BEVメーカーの勃興が著しい昨今において、非常に重要な意味を持ちます。
既存の自動車メーカーにとって、歴史や伝統はそれ自体が大きな強みであり、新興BEVメーカーが逆立ちしても手にすることができない資産です。
そうした強みをアピールする方法のひとつとして、昔なつかしいモデル名を利用するケースが多いようです。
ホンダ「シティ」も海外で復活! セダンやハッチバックを設定!
また、昔なつかしいモデル名には「日本車」であることを示す手段という狙いもあるようです。
グローバル化が進む昨今の自動車産業では、クルマの無国籍化が進んでおり、かつてほどそのメーカーごとの個性を出しづらくなっています。
一方、日本車に対する信頼が根強い地域はいまでも多く、「日本車であること」自体が大きな価値を持っているというケースもめずらしくありません。
そのような地域で販売されるクルマに昔なつかしいモデル名を採用することは、「日本車であること」を強くアピールすることにつながります。
東南アジアや中東、アフリカなど、日本からの中古車が多く流入している地域では、特にそういった傾向が強いと考えられます。
このように、昔なつかしいモデル名が増えている背景には、新興BEVメーカーの台頭やクルマの無国籍化といった、現代の自動車産業を取り巻く大きな潮流が関係していると言えそうです。
※ ※ ※
欧米の自動車メーカーを見ると、特別仕様車などをのぞいて、過去のモデル名が復活するというケースはそれほど多くないようです。
そこには、欧米の自動車メーカーではモデル名に記号を用いることが多いことや、ひとつのモデル名を現在まで用い続けていることが多いことなど、モデル名におけるそもそもの考え方の違いが関係しているのかもしれません。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
トヨタ『スターレット』復活! 2026年デビューか?
レスポンス / 2024年4月20日 7時0分
-
ホンダ 新型「プレリュード」まもなく復活!? 次期型“流麗クーペ”は「デートカー」それとも「スポーツカー」? 歴代初の「タイプR」登場はあるのか
くるまのニュース / 2024年4月18日 11時50分
-
「アジアでBEV出遅れ」は好機になる? 日本車が再び選ばれるようになる理由
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月11日 8時40分
-
マツダ新型「最上級セダン」!? 豪華“フロントフェイス”が「カッコイイ!」と反響も! 復活切望の「MAZDA6」次期型予想CGが登場
くるまのニュース / 2024年4月5日 13時10分
-
ホンダ新「3ドアハッチバック」実車展示! 丸目やシルエットはそっくり!? 「シティ再来」との噂も! 斬新モデルの正体は
くるまのニュース / 2024年4月5日 7時10分
ランキング
-
1制服と体操服でやりがちなNG洗濯! 体操服を洗濯する時、ファスナーは閉める? 開ける?
オールアバウト / 2024年5月2日 21時15分
-
2映画「もののけ姫」の映えスポットで撮影した女性の投稿に大反響! 「言われなくても生きそう」「無敵感がすごい」
よろず~ニュース / 2024年5月2日 15時0分
-
3トイレ掃除を頼むと涙目…新人バイトはオーナー親族のお嬢様。いきなり辞めたが、意外な展開に
女子SPA! / 2024年5月2日 8時47分
-
4「おじさんドラマ」すっかり定着の底知れぬ魅力 ベテラン俳優が好演、世間の"おじさん観"も変化?
東洋経済オンライン / 2024年5月2日 13時20分
-
5「いきなり退職代行から連絡が…」「注意すると泣く」20代社員はなぜ“打たれ弱い”のか
日刊SPA! / 2024年5月2日 8時52分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください