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ロシア空軍が「自国の村」コジンカを爆撃...ウクライナ国境ベルゴロド州の集落を粉々に破壊した理由とは?

ニューズウィーク日本版 / 2024年3月22日 18時21分

ロシア義勇軍団の義勇兵たち(2023年5月) Vyacheslav Madiyevskyy via Reuters Connect

<ロシア南部ベルゴロド州コジンカ村をロシア空軍が爆撃。標的のロシア人義勇兵は「モスクワへ進軍」と「プーチンの打倒」を掲げる>

ロシア空軍がウクライナとの国境に近いロシア国内の地域の村を爆撃する様子を捉えたとされる動画が出回っている。問題の動画は、ウクライナ人ジャーナリストのアンドリー・ツァプリエンコが3月15日にSNSにアップしたもの。爆撃を受けた建物が大規模な爆発を起こし、粉々に砕け散る様子が映されている。

■【動画】ロシア軍が「自国内の村」に向けて「空爆」を実施...ビルが爆発する様子など捉えた映像を公開

この動画の公開に先立つ12日には、ウクライナ軍と共闘する3つの武装組織「自由ロシア軍団」、「シベリア大隊」と「ロシア義勇軍団」が、ロシア南部のベルゴロド地方とクルスク地方にウクライナから越境攻撃を行っていた。今回のロシア軍による爆撃も、その標的はロシアに越境攻撃を仕掛けるロシア人義勇兵たちだったと見られる。

2022年2月にロシアがウクライナへの本格侵攻を開始した数週間後に結成された自由ロシア軍団とロシア義勇軍団は、戦闘が始まって以降、ウクライナと国境を接するベルゴロド地方に繰り返し侵入しており、2023年10月に結成されたシベリア大隊は今回初めて、この2つの組織と行動を共にした。

「ロシアをプーチンから解放する」と義勇兵

自由ロシア軍団の義勇兵のアレクセイ・バラノフスキー(コードネームは「リューチク」)は本誌に対して、ウラジーミル・プーチン政権の打倒を掲げる戦闘員たちは最終的に「モスクワに向かって前進」するつもりだと述べていた。目指すのは「ロシアをプーチンから解放することだ。今すぐは無理かもしれないが、それが我々の最重要ミッションだ」と彼は述べた。

ツァプリエンコは、「ロシア空軍がロシア領内に爆撃を行っている。自由ロシア軍団、ロシア義勇軍団とシベリア大隊が侵入した村だ」と書き込んだ。

彼が投稿した空撮動画には、建物が爆発し、その後に濃い煙が立ちのぼる様子が映っている。本誌はこの動画の信ぴょう性について独自に確認することができず、ロシア国防省にメールでコメントを求めたが、これまでに返答はない。ただロシア国防省は15日、ベルゴロド地方に侵入しようとした「50人以上の破壊工作員」を殺害したと発表している。

「ロシア国内からの砲撃でウクライナの民間人が死亡」

ロシア国防省はテレグラムのチャンネルで公開した声明の中で、ロシア軍がベルゴロド地方に侵入しようとする複数組織の「新たな試みを阻止」したと述べ、「今回はウクライナとの国境地帯にある村コジンカだった」と説明。武装組織はウクライナ領内に退避を始めたとつけ加えた。

自由ロシア軍団、シベリア大隊とロシア義勇軍団は15日午後に共同声明を発表。「1時間以内にベルゴロドの軍事標的に対する大規模な攻撃を実行する」と警告。「地元住民には、今すぐ安全な避難所に向かい、攻撃が終わるまでそこから動かないことを勧める」とつけ足し、さらに「このメッセージをベルゴロドの住民に拡散し、同胞の命を救う手助けをして欲しい」と続けた。

彼らは13日にも声明を出し、「ベルゴロドからの砲撃により、ウクライナで毎日何十人もの無実の民間人(主に女性と子ども)が死亡している」ため、「ベルゴロドにある軍事拠点を攻撃せざるを得なかった」と主張。「ベルゴロドからウクライナへの爆撃はやめるべきだ!」と述べていた。



イザベル・バンブルーゲン

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