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日本の脱炭素への取り組みこそが「賢い」やり方、台湾は学ぶべき―台湾メディア

Record China / 2024年3月12日 8時0分

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11日、台湾メディア・天下雑誌は「日本は賢いが台湾は愚か」と題し、世界的に見ると消極的に思える日本の脱炭素への取り組みがむしろ現実的であり、その姿勢こそ台湾も参考にすべきとする記事を掲載した。

2024年3月11日、台湾メディア・天下雑誌は「日本は賢いが台湾は愚か」と題し、世界的に見ると消極的に思える日本の脱炭素への取り組みがむしろ現実的であり、その姿勢こそ台湾も参考にすべきとする記事を掲載した。

記事は、台湾では昨今、二酸化炭素削減に関するニュースがメディアを賑わせており、台湾政府は50年のカーボンニュートラルに向けた法整備を進め、23〜30年にかけて脱炭素推進のために9000億台湾ドル(約4兆2000億円)を投じる計画を立てたと紹介。一方で、台湾の政府やメディアは、欧州連合(EU)の急進的な二酸化炭素削減政策を引き合いに出すことを好むのに対し、隣国である日本の対策についてはほとんど宣伝、報道していないとし、日本の脱炭素に向けた取り組みを紹介している。

まず、日本の電力会社は台湾とは異なりすべて上場民間企業であり、政府の二酸化炭素削減政策に100%追従する必要がない点が重要だと指摘。日本政府が世界の潮流に合わせて50年までにカーボンニュートラルを実現する目標を打ち出しているのに対し、電力会社のコミットメントははるかに現実的で保守的だと伝えた。

そして、日本の電力会社は水力、風力、太陽光といったグリーン電力に熱心ではなく、現状で日本国内の電力設備容量全体の約10%に過ぎないと紹介。今後の設備拡大にも消極的で、30年までに追加されるすべての新しいグリーン電力は約10ギガワットにとどまり、政府の計画よりもはるかに低いと伝えた上で、日本の電力会社にとっての二酸化炭素削減の主な手段は、原子力発電所の再稼働と耐用年数の延長だと説明した。一方で、東日本大震災によって停止した原発を再稼働させ、新規建設を進めるためには、多くの法的・政策的課題を乗り越えなければならないと指摘した。

また、東日本大震災に伴う原発事故後、日本の電力会社は石炭発電への依存度を高めており、他国のように石炭発電の全面禁止を約束することには消極的だと紹介。石炭火力を維持しつつ、その二酸化炭素排出量を削減する方向で取り組んでいるとした。さらに、二酸化炭素を回収・貯留するCCS装置の導入も計画しているものの、CCS技術はまだ未熟な新技術に大きく依存する状態にあり、本格的な実現には時間がかかるとの見方を示した。このほか、日本では原発事故以降ベースロード電源として液化天然ガス(LNG)の輸入を増やすことを余儀なくされたと伝えている。

記事は、日本の電力会社による二酸化炭素の削減は限定的であり、30年までに二酸化炭素を13年比で22%減らすという計画は日本政府の半分に過ぎない上、原発電の再稼働に大きく依存していると紹介。その姿勢は消極的で、日本政府の対外的な公約を真剣に受け止めていないように見えるとする一方で「エネルギー分野の実務経験がある人なら誰しも、50年までにカーボンニュートラルを実現にすることは非現実的と思っている」と指摘し、日本の電力会社による削減計画は実務的な見地に立ったものであり、台湾にとって学ぶ価値があるのだと論じた。(翻訳・編集/川尻)

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