「もしトラ」、日本の懸念は何か―仏メディア
Record China / 2024年3月24日 8時0分
20日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、米大統領選でトランプ氏が勝利することに対して日本がさまざまな憂慮を抱えていると報じた。
2024年3月20日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、米大統領選でトランプ氏が勝利することに対して日本がさまざまな憂慮を抱えていると報じた。
記事は、米国の世論調査では今月13日現在、トランプ氏の支持率が47.2%でバイデン氏の45.1%をわずかに上回っていると紹介。トランプ氏が大統領選を優位を進める中、日本では「もしトランプ氏が大統領になったら」を意味する「もしトラ」が一種の流行語になっているとし、日本が憂慮を抱く要因について解説している。
まず、日本を取り巻く安全保障環境が激変することへの憂慮を挙げた。「大統領になればロシアとウクライナの戦争を1日で終わらせる」「ウクライナにはもう1セントも渡さない」という発言からトランプ氏はウクライナにロシアへの屈服、領土割譲を望んでいるとし、もしトランプ氏の思惑通りにロシアが勝利すれば、その盟友である中国や北朝鮮も刺激を受け、日本の安全保障環境はかなり悪化することが見込まれる上、トランプ氏が日米安全保障条約の約束を守るかどうかも不透明なため、日本にとっては非常に頭の痛い状況になりかねないと論じた。
次にトランプ氏の政策の不確実性と価値観上の混乱に言及。前政権時代にトランプ氏が中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席やロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩総書記と接触を図り、価値観外交を標榜する日本政府は振り回されてきたとした上で、今月8日にもトランプ氏が権威主義的傾向があり、中国やロシアと密接な関係にあるハンガリーのオルバン首相と会談し、賞賛の言葉を浴びせており、次期政権でも同様の状況になりうるとの見方を示している。
さらに、日本に米軍駐留費などの負担増を強要し、米国の兵器を大量に購入するよう要求してくることへの懸念を指摘。トランプ氏は大統領任期中、日本が在日米軍駐留経費の負担を大幅に増やさなければ日本からの米軍撤退もありうると語り、4倍の負担増を要求した経緯があると紹介した。
そして最後に、トランプ氏が日本の巨額な対米貿易黒字について改めて不快感を示す可能性があるとし、トランプ政権時に発動し、バイデン政権になって撤廃された日本からの輸入鉄鋼やアルミニウムに対する大規模な関税が、トランプ氏の大統領返り咲きに伴って復活する可能性があることを日本は憂慮していると伝えた。(翻訳・編集/川尻)
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