速度とアングルを追求する! ドリフト競技車両の最新トレンド~カスタムHOW TO~
レスポンス / 2024年3月30日 6時30分
意図的にリアタイヤを滑らせて、その角度やライン、煙や迫力などを競うドリフト競技。日本で生まれた自動車競技で、いまでは世界的に行われているモータースポーツである。
では、ちょっとドリフトをしてみようと思ったときに、実際どんなカスタマイズが必要になるのだろうか。
まず必須なのは当然だがリア駆動車を選ぶこと。FF車でサイドブレーキを駆使したドリフトもあるが、一般的にドリフト競技はリア駆動のクルマで行う。ミッションはオートマでもできなくはないが、競技となるといまだにほぼ100%マニュアル車で行われている。その前提の上でどんなカスタムをすればいいのか。
◆ドリフトに必要なカスタム1:LSDの装着
なにはなにくとも必要なのがLSD。クルマの駆動輪は左右からドライブシャフトが伸びていて、その中心にはデファレンシャルが装着されている。これは左右タイヤの回転数を吸収する構造で、内輪差を吸収できる。左右タイヤが1本のシャフトに接続されてしまうと、曲がるときに左右タイヤの回転差が吸収できなくて曲がりにくくなり、急にブレーキを掛けたようになってしまう。
そのデファレンシャル機構だが、その構造的にアクセルを踏んでタイヤが滑り出すと、滑った側のタイヤに駆動力がすべて行ってしまう。タイヤがグリップしているうちはいいが、多くの場合クルマがロールすることで内側タイヤの接地圧が低くなり、タイヤが滑り出してしまう。そうなると駆動力がすべて内側タイヤに行ってしまい、クルマは駆動力を失って失速。ドリフト状態を維持できなくなってしまう。
それを解消してくれるパーツがLSD。リミテッド・スリップ・デファレンシャルであるLSDは左右タイヤに駆動力を伝えてくれる構造。まずは、これがなければドリフト走行が維持できないのだ。
ちなみに「頭文字D」の藤原拓海のようにブレーキングドリフトでリアを流す分にはLSDはなくても可能。慣性でタイヤを滑らせているのでLSDがあってもなくてもできるが、そこからアクセルを踏んでドリフト状態を維持させるにはLSDが必要になる。
◆ドリフトに必要なカスタム2:パワーアップ
必ずしもパワーがなければできないわけではないが、ある程度のパワーが無いとタイヤをアクセルオンで空転させることができないので難易度がグッと上がる。『シルビア/180SX』のように200馬力以上あれば、とりあえずグリップの低いタイヤならドリフトしやすい。
理想的には300psで、しかも低中回転からトルクがあるとコントロールしやすいし、ドリフトからグリップが回復する「戻る」状態になったときにもトルクでまたタイヤを空転させることができるのでドリフトを維持しやすい。となると「AE86」や『ロードスター』では大幅なパワーアップが必須。しかるがゆえに、そのあたりのローパワー車でドリフトしていた猛者は上手いと言われていた。シルビア系などでもボルトオンタービンくらいへの交換が望ましい。
『フェアレディZ33/34』のような3.5L以上のNAエンジンはトルクフルなのでノーマルでも比較的ドリフトしやすい。D1GPやFDJのようなトップレベルのドリフトの世界では、とにかく高いグリップのタイヤを使ってタイヤと路面をグリップするようにして、その上でパワーとテクニックでタイヤを滑らせている。そのほうがより高速ドリフトや深いアングルのドリフトが可能になるからだ。そこでエンジンパワーは今や800psや1000psは当たり前で、1200psというクルマも現れているほどなのだ。
◆ドリフトに必要なカスタム3:冷却系のチューニング
ドリフトはアクセルをバンバン踏んでタイヤを滑らせていく。それでいてタイヤが滑っているのでそれほど速度は出ない。しかも、クルマはまっすぐに走らず、角度がついて滑っているのでラジエーターにまっすぐに走行風が入っていかない。
とにかく水温やエンジン油温の上昇が著しい。本格的な競技車両ではリアトランクにラジエーターを入れて、そこで大型ファンで強制的に風を当て続けるなどの水温対策がなされている。
ストリートカーでは大容量ラジエーター、ボンネットダクトなどしか対策がないが、少しでも水温や油温の上昇対策をしておきたい。
◆ドリフトに必要なカスタム4:切れ角アップ
これはハンドルを切ったときにタイヤがどこまで向きを変えるか。ドリフトではスピンを防いだり、より深い角度でドリフトするにはタイヤがいっぱい切れる「切れ角アップ」チューンが有効。
切れ角アップをしなくてもドリフト自体はできるが、切れ角がたくさんあったほうがドリフトしやすいのは間違いない。
競技系では流行りの社外アームを使うとタイヤは90度近く向きを変えてほぼ真横を向くようになる。そこまでタイヤが切れるからこそ、深いアングルでのドリフトが増えたのだ。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ホンダの元祖「ジャイロX」は北の大地が鍛えたヘビーデューティなヤツだった
バイクのニュース / 2024年4月29日 19時40分
-
ヒョンデの最新「ハイパフォーマンスモデル」6月5日発売! 見た目も中身もスゴい「IONIQ 5N」とは?
くるまのニュース / 2024年4月25日 5時50分
-
ピックアップ再燃か、三菱「トライトン」の実力 働くクルマの性能とSUVの楽しさを併せ持つ1台
東洋経済オンライン / 2024年4月23日 10時0分
-
ピックアップ再燃か、三菱「トライトン」の実力 働くクルマの性能とSUVの楽しさを併せ持つ1台
東洋経済オンライン / 2024年4月22日 12時0分
-
なぜ40年前の「AE86(ハチロク)」が今も人気? 1000万円の個体も! でも昔は「タダであげてた」ってマジか!? 事情通に聞いてみた
くるまのニュース / 2024年4月5日 12時30分
ランキング
-
1政府・日銀 “不意打ち”為替介入か 早朝に一時4円超円高に
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月2日 16時53分
-
2「わらび餅」に外国人殺到! とろ~り伸びる進化形も、海外では専門店オープン【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月2日 21時50分
-
3Googleの「約束破り」が示す検索市場の"危うさ" ヤフーへの技術提供制限で公取委が初の処分
東洋経済オンライン / 2024年5月2日 8時20分
-
4岸田首相、AIルールで国際枠組み=OECD演説、東南アジア連携訴え
時事通信 / 2024年5月2日 19時15分
-
5「グリコ出荷停止騒動」6月へ再開延期の切実事情 店頭の「プッチンプリン」が約2カ月消える背景
東洋経済オンライン / 2024年5月2日 21時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください