「悔しいけどもう無理」和食チェーン社長が後悔する、大失敗に終わった作戦。客足は増えるどころか…
日刊SPA! / 2024年4月8日 8時53分
※画像はイメージです
新型コロナウイルスの猛威という長いトンネルをようやく抜け、世の中は徐々に活気を取り戻しています。そんな中、特に大手などの体力がある企業は、“水を得た魚”のごとく、積極的な“攻め”の展開を始めています。今回は、そんなアフターコロナで大手の影響を受け、かじ取りをミスしてしまったある飲食店にフォーカスを当ててみました。
◆地域密着型の和食チェーン店
都内某市に数か所の和定食店を展開している君島社長(仮名・46歳)。こだわりの食材を使った採算度外視の料理と、専用農家から仕入れる極上米が人気で、多くのファンに支持されていました。
「新型コロナウイルスが蔓延した時は、本当にどうなることかと日々心配でしたが、今振り返ると貴重な時間を持つことができました。感染対策は怠らず、安全第一で細々と営業していましたが、空いた時間を活用して従業員とのコミュニケーションに当てたり、各店舗の改装などを行いました」
新型コロナウイルスが収束に向かうと同時に客足も順調に戻ってきたのだそう。
◆まさかのアフターコロナに売上減少
しかし、外国人の観光客も徐々に増え始め、世の中にも活気が戻ってきた頃を境に、逆行して各店舗の売り上げが通常月の50~60%まで落ち込んだそうです。
「売り上げ減少の理由が最初はわかりませんでした。どの店舗に足を運んでも活気がないんです。ニュースでは都内のにぎやかな様子が映し出されているのに、なんで?という感じでした」
しかし、その数日後、君島社長は驚くべき事実を知ることになります。
「完全な私のリサーチ不足です。自分の店舗ばかりに気が行っていて、視野が狭くなっていました。実は、ウチのチェーン店がある大通り沿いの近くにあるパチンコ店や小規模テナント店が、大手の飲食チェーン店に鞍替えしていたんです。経営者たるものが、お恥ずかしい限りです」
◆客足を取り戻すために決断
君島社長は、さらに自社店舗の周辺地域を調べたところ、今後も競合他社の飲食店が新規オープンすることが分かりました。日を追うごとに低迷する売り上げをなんとかして食い止めようと必死でした。
「売り上げが減少し始めた頃は、そのうち挽回できるという変な自信があったのですが、いっこうに上を向かない状況に恐怖すら感じました。気持ちが焦るばかりで、落ち着いて改善策を考える余裕などはすでになく、一番手を出してはいけない“価格”で訴求することが精一杯でした」
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