ヤマトと佐川で分かれた明暗。「Amazonからの撤退」が分岐点に――大反響・総合トップ10
日刊SPA! / 2024年4月27日 15時44分
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日刊SPA!で反響の大きかった2023年の記事をジャンル別に発表してきたが、今回は総合トップ10。初回とランキング発表時の反響をあわせて集計、本当にスゴかった記事を発表する。第1位はこちら!(集計期間は2023年1月~2024年3月。初公開2023年7月6日 記事は取材時の状況。ご注意ください) * * *
中小企業コンサルタントの不破聡と申します。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、「有名企業の知られざる一面」を掘り下げてお伝えしていきます。
2023年6月19日にクロネコヤマトのヤマトホールディングスと、日本郵政の協業が決まりました。「クロネコDM便」を「ゆうメール」に、「ネコポス」を「ゆうパケット」に融合し、荷物を共同で配送するというもの。この協業体制は2社の課題を解決する有効な一手となるかもしれません。
◆郵便局の配送網で効率化を図る
「ネコポス」は2023年10月から順次終了し、「クロネコゆうパケット」という新たなサービスに変わります。「ネコポス」は、フリマやオークションを利用する人には身近なもので、個人間取引サイトを利用する顧客が対象のサービスでした。
これまではヤマトが配送をすべて行っていましたが、今後はヤマトが荷物を引き受けて、それを郵便局の配送網で顧客に届けます。
「クロネコDM便」は2024年1月31日に終了し、「クロネコゆうメール」となります。これもオペレーションはほぼ変わりません。
つまり、ヤマトは配送の手間を省くことができ、郵便局は全国に構築した配送ネットワークをフル活用できるという内容なのです。ここが一番のポイントです。
◆“効率的に稼ぐ力”が佐川に及ばず
ヤマトホールディングスの2023年3月期の売上高は1兆8006億円。競合・佐川急便の運営会社であるSGホールディングス2023年3月期の売上高は1兆4346億円でした。2社の売上は3600億円以上離れています。
しかし、利益に目を転じると見え方は変わってきます。
佐川の営業利益率は9.4%。ヤマトは3.3%ほどしかありません。佐川はヤマトよりも効率的に稼いでいるのです。
◆「Amazonからの撤退」が分岐点に
佐川の2013年3月期の営業利益率は3.5%でした。現在のヤマトとほとんど変わらない水準です。しかし、2014年3月期に5.2%まで急速に高めます。この期に佐川急便はクロネコヤマトの営業利益率を追い抜きました。
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