1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「謝罪の手紙を賞状みたいに飾っている」クレームがやめられない37歳男性。学生同士の微笑ましい一幕にも“正義の制裁”

日刊SPA! / 2024年5月9日 15時54分

写真

市川博史さん(仮名・37歳)

 大谷翔平の通訳・水原一平が違法賭博で球団を解雇された。ギャンブル依存と報じられている。日々の生活に支障を来しながら「やめたくてもやめられない」依存症。酒や薬物以外にも、意外なものに耽溺する人々がいる。あなたは「他人事」と言い切れますか……?
◆怒りの沸点が低くなり、クレームが病みつきに

【市川博史さん(仮名・37歳)食品メーカー】

 些細なことで怒りを抑え切れずに、店員を執拗に叱りつけるクレーマー。これは依存の一種かもしれない。大手食品メーカーに勤める市川博史さんは、クレームを止められなくなった経緯についてこう語る。

「3年前、立ち食いそば屋で、器にビニールの破片が入っていました。100%落ち度は店にある。全部食べ終えてから、無料にしてもらおうと、バイトのおばちゃんにクレームをつけました。でも店員から平謝りされただけで、そば代は無料にはならなかった。人生初のクレームは、正当な怒りの対価はもらえず、ただただむなしいだけでした」

 しかし、これで「理由があれば怒ってもいいんだ」と思うようになり、クレームをつけるハードルは一気に下がる。

◆学生同士の微笑ましい一幕でも…

「某カレーチェーンで、私の隣に学生バイトの友達が座っていて、そのバイトは友達に『好きなものトッピングするから教えて』と誇らしげでした。その店は特定の日にトッピング無料券を配っていて、コツコツ集めていた私は思わず『不公平だろう!』と怒鳴りました。店員は謝るだけで、私のトッピングは無料になりませんでした」

 学生同士の微笑ましい一幕でも、市川さんは“正義の制裁”を加えないと気が済まない。

◆クレームをつける理由は?

 クレームをつけるのは、「正当な理由で人に怒りをぶつける興奮状態が忘れられないから」という。そのため怒りの沸点はどんどん低くなっていき、今では「クレームの機会」を自ら探しているらしい。

「あるとき、納豆を覆う半透明のフィルムの端が焦げていて、メーカーにクレームを入れました。再発防止を約束してくれたのに、ほどなくして、またもフィルムが焦げていた。2度目は許されません。きつく叱ってやりましたよ。これまで以上に慇懃な謝罪の手紙は誇らしく、賞状みたいに部屋に飾っています。3度目を期待し、納豆を食べるときは、必ずフィルムを隅々までチェックしてしまいます」

 SNSにクレームを書き込もうかと考えているという市川さん。

「踏みとどまっていますが、いつまで耐えられるのか」

 怒りという興奮状態に依存している市川さん。解放される日は来るのだろうか。

取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/杉原洋平

―[蔓延する[依存症]の恐怖]―

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください