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「メルカリ」も「ベネッセ」も実はラテン語だった! 明日誰かに話したくなる「あの名前」の由来

東洋経済オンライン / 2024年3月26日 17時0分

ちなみに古代ローマにあったForum Romanum(フォルム・ローマーヌム)という大きな広場は、その跡地が現在でも残っており、イタリア語でForo Romano(フォロ・ロマーノ)として一大観光地になっています。

また古代ローマのforum「公共広場」では裁判も行われていたためラテン語のforumに「裁判」という意味があり、さらにはforumが語源になっている英語のforensicは「犯罪科学の、法廷の」という意味になっています。

興味深い由来はまだまだあります。施設名ではないですが同人誌の展示即売会「コミティア」も、古代ローマの民会を指すcomitiaが元になっています。「コミック」が元ではないのです!

施設名にぴったりなネーミング

東京国際フォーラムと同じ山手線沿線では、港区立男女平等参画センターの愛称「リーブラ」は、ラテン語の「天秤(libra)」が元になっており、男女平等を目指す施設名にぴったりなネーミングになっています。

施設の役割つながりでいうと、福岡市男女共同参画推進センターの愛称「アミカス」は、ラテン語の「友達(amicus)」が元になっています。

公共施設では、他にも東京の新宿中央公園内にあるSHUKNOVA(シュクノバ)が挙げられます。シュクの部分は新宿の「宿」、NOVAの部分はラテン語で「新しい」という意味で、新宿の「新」とかけています。

ところで、ラテン語の-iaという接尾辞は、地名によく用いられています。英語のMongolia「モンゴル」、India「インド」、Slovenia「スロベニア」などが例として挙げられます。

この語尾を使って名付けられた施設名があります。

東京の有楽町にある、マルイが入っている商業施設「有楽町イトシア」(YURAKUCHO ITOCiA)は「愛しい」と-iaを合わせたもの、そして埼玉県にある川口総合文化センターの愛称「リリア」は、川口市の花であるテッポウユリの英語名lilyと-iaを合わせたものです。

また、埼玉県の埼玉スタジアムに近いところにあるウニクス浦和美園の名前は、ラテン語で「唯一の(unicus)」という意味です。

unicusは英語のunique「唯一の」や日本語の「ユニーク」の語源になっています。uni-は「1」を指し、unicycle「一輪車」など、広く使われています。

まだまだあるラテン語由来の施設名

他にも、北海道の新千歳空港にあるホール「ポルトムホール」はラテン語のPortus Omnibus(ポルトゥス・オムニブス)が元になっており、これは「全ての人たちのための港」という意味です。

omnibusというラテン語は、現代語においてもそのまま「全ての人たちのための」という意味で使われています。乗り物の「バス」もフランスで用いられはじめたvoiture omnibus「全ての人たちのための車」という表現が元になっています。そしてこれがbusと略されたのです。

omnibus「全ての人たちのための」という単語は、もう少し詳しく解説するとomnes「全ての人たち」に語尾がついて「全ての人たちのための」という意味になったものです。つまり、bus「バス」は元々は格変化語尾であり、単語の主要な意味には関係がないのです。

ここで紹介した以外にも、そして私が把握している以外にも、日本中にラテン語由来の施設名があります。お近くで気になった洋風の名前があれば、ぜひ成り立ちを調べてみてください。

ラテン語さん:ラテン語研究者

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