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松本人志VS文春の訴訟が盛り上がりに欠けるワケ 松本さんにとって勝訴以上に重要なものとは

東洋経済オンライン / 2024年3月29日 17時20分

さらに文藝春秋・新谷学総局長による「彼女の証言だけで裏付ける証拠はない」「刑事事件として立件するのは不可能」「強者に一太刀あびせること自体は大事」などのコメントが報じられると反発の声が続出。報道の正当性をアピールするどころか、そのイメージは一気に悪化していきました。

また、松本さんの大阪での飲み会に参加したという霜月るなさんが週刊文春の報道を否定するコメントを繰り返したほか、サッカー日本代表の伊東純也選手に関する「週刊新潮」の報道に対する批判なども加わって、週刊誌全体に対する不信感が高まっています。

名誉回復に次ぐもう1つの訴訟目的

一方の松本さんも25日、約2カ月半ぶりにXを更新。第1回口頭弁論を目前に控え、「人を笑わせることを志してきました。たくさんの人が自分の事で笑えなくなり、何ひとつ罪の無い後輩達が巻き込まれ、自分の主張はかき消され受け入れられない不条理に、ただただ困惑し、悔しく悲しいです。世間に真実が伝わり、一日も早く、お笑いがしたいです。ダウンタウン松本人志」というコメントを投稿しました。

当初は松本さんを励ますような声が多かったものの、ネットメディアがこのコメントを記事化すると、徐々にネガティブな反応が増えるなど微妙な雲行きに。「会見どころか何ひとつ話していないのに『主張はかき消され』はおかしい」「テレビでなくネットなら、今すぐお笑いができるはず」などの矛盾点を指摘されてしまいました。

前述したように世間の人々は週刊文春や週刊誌報道そのものに不信感を持ちはじめ、松本さんを擁護するムードが高まっていただけに、再び注目を集める第1回口頭弁論の目前に、このコメントは不用意と言わざるをえないでしょう。もし勝訴するための戦略上、必要なコメントだったとしても賢明とは思えず、「松本さんはひとつ大切な目的を見失っているのでは?」と感じさせるところがあるのです。

松本さんの訴訟目的が名誉の回復であることは、「誌面はいずれかの項全面」、「電子版は判決確定から6カ月」の謝罪広告掲載を求めていることからも間違いないでしょう。そのためには損害賠償額の大小はさておき、何としても勝訴したいところですが、もはや今回の件は「どちらが勝訴したか」だけの問題ではありません。

松本さんが休業という思い切った決断を下したのは、「週刊文春をはじめとする週刊誌全体のあり方に一石を投じ、後輩や業界のために報道を変えていきたい」という、もうひとつの訴訟目的もあったのではないでしょうか。

訴訟の勝敗以上に重要な世間の支持

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